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高齢者の防災と避難を久留米市で考える|介護が必要な家族の備え

高齢の親や介護が必要な家族がいる家庭では、防災の準備が後回しになりがちです。非常食や水を置いていても、実際に避難する場面になると、薬、紙おむつ、歩行補助具、車いす、移動手段、避難先での過ごし方まで考える必要があります。

久留米市は、筑後川をはじめとする河川、内水、土砂災害、ため池など、地域によって見ておきたい災害リスクが違います。高齢者の防災は、一般的な持ち出し袋だけでは足りません。本人の身体状況、家の場所、避難にかかる時間、支援してくれる人を平時に決めておくことが大切です。

まず自宅周辺のハザードマップを見る

久留米市では、紙面版とWeb版のハザードマップが公開されています。洪水、高潮、内水、土砂災害、農業用ため池などを確認でき、校区ごとに見る情報もあります。親の家がどの校区にあり、どの災害リスクがあるのかを家族で確認しておくことが最初の一歩です。

ハザードマップは、一度見て終わりではありません。避難所までの道、夜間に歩けるか、車で移動できるか、浸水時に通れない道がないかも考える必要があります。特に介護が必要な方は、一般の人より移動に時間がかかります。雨が強くなってから判断すると、移動そのものが危険になる場合があります。

警戒レベル3で動く人を決める

久留米市の避難情報の案内では、警戒レベル3「高齢者等避難」の段階で、避難に時間がかかる高齢者や障がいのある人は危険な場所から避難するよう示されています。レベル4では危険な場所から全員避難、レベル5はすでに命が危険な状況です。

家族で決めておきたいのは、警戒レベル3が出たときに誰が連絡し、誰が迎えに行き、どこへ避難するかです。本人が一人暮らしの場合、電話に出ない可能性もあります。遠方の家族だけでなく、近くに住む親族、近所の方、民生委員、ケアマネジャーと平時から情報を共有できる範囲を考えておきましょう。

指定避難所と水害時の避難所を確認する

久留米市には指定避難所があります。ただし、災害の種類や状況によって開設される避難所は変わります。市の案内では、避難情報が発令された際には住んでいる校区にこだわらず、近くの避難所または安全な場所へ避難することが示されています。

水害時には、水害時に開設される避難所の一覧や、福岡県防災ホームページの避難所開設状況を確認する流れになります。家族は、普段から「一番近い避難所」だけでなく、「安全に行ける避難所」「車いすで入りやすい避難所」「親族宅や高台など避難所以外の選択肢」も考えておくと安心です。

福祉避難所は最初から直接行く場所ではない

福祉避難所については誤解が起きやすいところです。久留米市の案内では、福祉避難所は、高齢や障害などの理由でコミュニティセンターや小学校などの指定避難所での生活が困難な方のために、市が開設する二次的な避難所とされています。災害発生時に最初から開設される避難所ではありません。

そのため、「介護が必要だから最初から福祉避難所へ行けばよい」と考えるのは危険です。まずは開設された指定避難所へ避難し、避難者の状況などを踏まえて福祉避難所の開設や移動が判断される流れです。家族は、指定避難所で過ごす可能性も含めて、薬、介護用品、本人の状態を説明できるメモを準備しておく必要があります。

避難行動要支援者名簿と災害時マイプランを確認する

久留米市には、災害時に自力または家族の支援だけでは避難が困難な方のための避難行動要支援者名簿があります。要介護3、4、5の認定を受けている方などが対象に含まれます。名簿は、日頃の見守りや災害時の安否確認、避難情報の伝達などに役立てることを目的としています。

ただし、名簿に登録すれば必ず助けてもらえるという制度ではありません。久留米市の案内でも、支援する側も被災する可能性があり、登録が確実な支援や安全を保証するものではないと説明されています。登録とあわせて、家族自身の避難計画を作ることが必要です。

災害時マイプランは、自ら避難することが困難な人が、誰が支援するか、どこに避難するか、どんな配慮が必要かを本人、家族、支援者と考える個別避難計画です。ケアマネジャーや相談支援専門員など福祉の専門職が関わる形もあります。介護が必要な方ほど、避難先だけでなく移動手段と支援者を決めておく意味が大きくなります。

介護が必要な家族の持ち出し品

  • 薬とお薬手帳
  • 介護保険証、健康保険証、障害者手帳などの写し
  • 紙おむつ、尿取りパッド、手袋、袋
  • 杖、眼鏡、補聴器、入れ歯用品
  • 食事形態に合う食品、飲み込みやすい水分
  • 主治医、ケアマネジャー、家族の緊急連絡先
  • 認知症がある場合の本人情報メモ

避難所では、普段の生活と同じ支援をすぐ受けられるとは限りません。本人の病気、薬、介助方法、苦手なこと、落ち着きやすい声かけを短く書いたメモがあると、周囲へ説明しやすくなります。

在宅避難や垂直避難も選択肢として考える

避難というと避難所へ移動することだけを考えがちですが、状況によっては自宅の2階など安全な場所へ移動する垂直避難も避難行動になります。久留米市のハザードマップの案内でも、避難所へ移動する水平避難だけでなく、屋内の安全な場所へ移動することも避難行動として説明されています。

ただし、在宅避難や垂直避難が安全かどうかは、家の場所、浸水想定、土砂災害の危険、建物の状態、本人の身体状況によって変わります。家族は、どの災害なら避難所へ行くのか、どの状況なら親族宅や高台へ移るのか、どの状況なら自宅内で安全を確保するのかを平時に話しておく必要があります。

移動手段は早めに決める

介護が必要な方の避難では、徒歩で移動できるとは限りません。車いす、杖、歩行器、車への乗り降り、雨の中での移動、夜間の視界の悪さなどを考えると、一般の人より早い判断が必要になります。

家族の車で迎えに行く予定でも、道路が冠水して通れない場合があります。近くの避難所だけでなく、別方向の安全な場所、親族宅、かかりつけ医やケアマネジャーへの連絡方法も確認しておくと、選択肢が増えます。

ケアマネジャーに災害時の不安を伝える

要介護認定を受けている方は、普段のケアプランだけでなく災害時の不安もケアマネジャーへ伝えておくとよいでしょう。独居、認知症、医療機器、酸素、透析、寝たきり、家族が遠方にいるなど、災害時に大きなリスクになる事情は平時から共有しておく価値があります。

ケアマネジャーがすべてを解決できるわけではありませんが、本人の生活状況を知る専門職に不安を伝えておくことで、地域包括支援センターや行政の制度につなげやすくなる場合があります。

家族だけで判断しない場面

避難するか迷うとき、家族だけで安全を判断するのは危険です。市の避難情報、福岡県防災ホームページ、気象情報、消防や警察からの情報を確認し、危険が迫っている場合は早めに行動します。特に高齢者は移動に時間がかかるため、一般の人と同じタイミングでは遅いことがあります。

本人が避難を嫌がる場合もあります。そのときは、避難所へ行くことだけを説得するのではなく、親族宅、近くの安全な建物、家の中の安全な場所など、現実的な選択肢を複数用意しておくと話し合いやすくなります。

まとめ

久留米市で高齢者の防災を考えるなら、ハザードマップを確認し、警戒レベル3で動く人を決め、指定避難所と福祉避難所の違いを理解し、避難行動要支援者名簿や災害時マイプランを確認することが重要です。

災害時に落ち着いて判断するのは簡単ではありません。だからこそ、平時に家族で話し、必要な支援者へつながり、持ち出し品を準備しておくことが、高齢の家族を守る現実的な備えになります。

参考情報

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