この記事の目次
  1. 就寝前 寝室からトイレまで実際に歩く
    1. 動線チェック
    2. 敷物と充電コードが重なっていた
  2. 目が覚めたとき 暗いまま急いで立たない
  3. 起き上がるとき 横向きから座り、足を床につける
  4. トイレへ移動するとき 介助者も足元を見る
  5. 排泄するとき 衣類の操作と着座を急がせない
  6. トイレまで遠いとき ポータブルトイレを検討する
  7. 寝床へ戻るとき 排泄後のふらつきも見落とさない
  8. 急に回数が増えたときは受診を考える
    1. 排尿時の痛みと発熱が出た
  9. 家族の睡眠が削られたら介助体制を見直す
    1. 介助する家族が眠れなくなった
  10. 今夜は動線を一本空けるところから

夜中、廊下で物音がした。見に行くと、親が壁に手をつきながらトイレへ向かっている。照明は消えたまま。足元には昼間使った座布団が残っています。転倒につながる条件が重なった場面です。

今夜できることがあります。寝室からトイレまでを、本人と同じ目線で歩くことです。就寝前、起き上がり、移動、排泄、寝床へ戻るまでを順にたどります。

回数が急に増えたら、動線整備だけでは足りません。受診相談も必要です。水分を一律に減らしたり、薬を家族の判断で変えたりしないでください。

就寝前 寝室からトイレまで実際に歩く

昼間は気にならない段差。それが暗い夜には見えにくくなります。消費者庁も、寝起きや夜間のトイレで起き上がるとき、体勢を変えるときは慎重にするよう注意を促しています。

可能なら、本人にも歩いてもらいます。家族の目線だけでは分からないからです。普段使う眼鏡、杖、歩行器を使い、ベッドを下りる側から便座へ座る所までたどってください。

動線チェック

場所見ること今夜できる対応
ベッド脇立つ側に荷物やコードがないか床を空け、履物を同じ位置に置く
寝室の出口扉が動線をふさいでいないか全開にし、動かないよう確認する
廊下敷物、座布団、電源コードがないか移動させ、床に物を置かない
曲がり角足元が暗く、壁や家具にぶつからないかまぶしすぎない足元灯で方向を示す
トイレ入口小さな段差や滑りやすいマットがないかマットを外し、床が濡れていないか見る
便器周り衣類を上げ下げする場所が狭くないか掃除用品やごみ箱を動線外へ移す

敷物は端が危険です。裏面に滑り止めがあっても、つまずくことがあります。足を上げにくい人では、固定するより撤去した方が歩きやすい場合もあります。

壁際でも安心できません。電源コードに足が触れることがあります。夜間に使わない機器なら抜いて片づけ、必要なコードは動線を横切らない位置へ移すのが安全です。

手すりは位置が決め手です。本人の立ち方に合わない場所へ自己流で取り付けると、かえって使いにくくなります。制度や事前申請は「久留米で住宅改修・手すりに介護保険を使うには」で確認できます。

敷物と充電コードが重なっていた

ベッドからトイレまでの間に小さな敷物があり、その先を充電コードが横切っていたと仮定します。昼はまたげた。けれども寝起きには足が上がらず、敷物の端でいったん止まります。コードを避けようとして体が傾けば、壁に手をつく場面も出てくるでしょう。

その夜から敷物を外し、充電場所を変えます。通路は空きました。家族は明かりをつけた状態で本人ともう一度歩き、足が止まる場所を見ます。それでも歩き方に不安が残るなら、ケアマネジャーや理学療法士などに実際の動線を見てもらう流れです。

目が覚めたとき 暗いまま急いで立たない

尿意があると、本人は急いで起きようとします。まず明かりです。家族は本人の正面か斜め前から「トイレですね」と声をかける。突然肩をつかむのは避けてください。

足元灯は床を照らします。顔へ強い光が当たると目がくらむからです。床と障害物が見え、寝室からトイレの方向が分かる位置を選びます。

眼鏡、杖、歩行器は、いつもの場所へ。本人がベッドから身を乗り出さずに取れる位置が基準です。

起き上がるとき 横向きから座り、足を床につける

勢いよく起きると、姿勢は不安定になります。まず横向きです。脚をベッドの外へ出しながら、腕で上体を起こします。

端に座ったら、両足を床または安定した足台につけます。すぐには立ちません。ふらつきや顔色の変化がないかを見る時間が要ります。

腕を引いて立たせるのは危険です。肩を痛めたり、二人ともバランスを崩したりします。立ち上がり方は、本人の身体状況に合わせて専門職から教わるのが安全でしょう。

ベッドの高さが合わない。つかまる場所もない。そんなときは福祉用具の検討が必要です。「久留米で介護用品をレンタルするには」で相談の流れを紹介しています。

トイレへ移動するとき 介助者も足元を見る

脇を強く抱えると、本人は自分でバランスを取りにくくなります。支えすぎにも注意が要る。普段の介助方法が決まっている場合は、その方法に従ってください。

介助者は少し斜め後ろへ。本人の歩く速さに合わせます。杖や歩行器を使う人では、用具を正しい位置に置いてから動き始めるのが基本です。

廊下で急に止まった。足が前へ出ない。いつもより体が傾く。その場合は歩行を続けません。安全な椅子やベッドへ戻し、状態によって医療職へ相談してください。

排泄するとき 衣類の操作と着座を急がせない

トイレに着いても油断できません。ズボンや下着を下ろすとき、立ったまま両手を衣類に使います。支えがなくなり、バランスを崩しやすい瞬間です。

先につかまる場所を決めます。介助者は衣類を下ろす前に便座の位置を整える。手を離すのは、本人が便座へ座った後です。

排泄後も急ぎません。立ち上がる前に衣類の位置と足元を見ます。床が濡れていたら歩き始めず、先に拭き取ってください。

できる動作は待ちます。家族が急いで全部を行うと、本人が持っている動きを使う機会が減るからです。介助する側の負担も増えます。

トイレまで遠いとき ポータブルトイレを検討する

トイレまでが遠い。段差もある。夜だけ歩行が不安定になる。そんな場合は、ベッド近くにポータブルトイレを置く方法があります。

厚生労働省の通知では、便座とバケツなどからなり、移動でき、居室で使える便器は「腰掛便座」に含まれます。制度上の呼び方です。介護保険では特定福祉用具販売の対象となる場合があります。

置くだけでは解決しません。便座の高さ、立つ側の空間、手すり、清掃、におい、夜間照明まで含めて選ぶ用具です。

目的から伝えます。「歩けなくなったから」ではなく、「夜だけ近くに置くと急がなくて済みそうですが、どうですか」と本人に聞く。拒否がある場合は設置を急ぎません。

購入前の相談が先です。介護保険で購入する場合は、対象製品や購入先、申請方法を事前に確かめます。具体的な製品はケアマネジャーと福祉用具専門相談員へ相談してください。

寝床へ戻るとき 排泄後のふらつきも見落とさない

用が済むと、帰り道の注意が薄れます。戻るまでが介助です。立ち上がった直後のふらつきを見て、往路と同じ照明、用具、介助方法を使います。

脚の後ろがベッドに触れてから座ります。横になる前に衣類のねじれや履物を整える。履物は足元へ脱ぎ散らかさないことです。

記録は短くて構いません。起きた時刻、排尿の有無、痛み、ふらつき、失禁、眠気を残します。回数だけの記録より、受診時の説明に役立つからです。

急に回数が増えたときは受診を考える

原因は一つとは限りません。水分の取り方、薬、睡眠、前立腺や膀胱など複数の要因があります。見た目だけでの特定は困難です。

排尿時の痛み、発熱、血尿。下腹部や背中の痛み、急な失禁、強い口渇、意識の変化。どれかがあれば、早めに医療機関へ相談してください。

水分を一律に止めるのは危険です。脱水につながるおそれがあります。心臓や腎臓の病気で水分量の指示を受けている人は、その指示が優先です。

薬は家族で変えません。利尿薬や睡眠薬などが気になったら、夜間の状態を処方医や薬剤師へ伝えます。調整が必要かは、処方側の判断です。

排尿時の痛みと発熱が出た

普段は夜に一度起きる人が、同じ夜に何度もトイレへ行き、排尿時の痛みと発熱を訴えたと仮定します。家族は廊下を片づけ、足元灯もつけた。それでも、本人は間を置かずに起き上がろうとします。動線を整えるだけで様子を見続ける場面ではありません。

本人の持病、服薬、体温、尿の様子を伝え、医療機関へ相談します。伝える材料はそろっています。発熱と痛みが重なった時点で、家庭だけの様子見は終わりです。家族が病名を決めず、受診先の判断に従うケースです。

家族の睡眠が削られたら介助体制を見直す

毎晩何度も起きれば、家族の判断力や体力も落ちます。家族の睡眠も支援の課題です。本人を支えきれず二人で転倒する前に、夜間の頻度と家族の睡眠状況をケアマネジャーへ伝えてください。

定期的な訪問と必要時の対応を組み合わせる。これが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護という地域密着型サービスです。

利用には条件があります。「久留米の定期巡回・随時対応型訪問介護看護」で確認できます。

家族が休む方法も必要です。短期間宿泊するショートステイを検討するなら、「久留米でショートステイを利用して介護疲れを軽くするには」も参考にしてください。

条件は家庭ごとに違います。サービスの利用可否や夜間対応の内容は、本人の要介護認定、ケアプラン、事業所の体制で変わるためです。

介助する家族が眠れなくなった

夜間介助が続き、家族が日中の仕事中にも強い眠気を感じるようになったと仮定します。寝室からトイレまでの物は片づけた。足元灯もつけました。それでも、家族が毎回起きて支える状況は変わりません。本人の動線だけを直しても、家族の休息が戻らない場合があります。

夜間に起きた回数と介助内容を数日分まとめ、ケアマネジャーへ伝えます。家族の眠気も隠しません。最終的なサービスの組み合わせは、本人と家族の状況を基に関係者で決めるものです。

今夜は動線を一本空けるところから

大がかりな工事が最初とは限りません。ベッドから便座まで一本の通路を空ける。足元を照らす。眼鏡や歩行用具を同じ場所へ置く。今夜できる対策です。

まずは、この一本の通路です。

明日、日が明るいうちに、本人と一緒にベッドから便座までを一度だけ歩いてください。やることはそれだけです。

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