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「春までは一人で近所の店まで歩いて行けたのに、最近は家から出なくなった」。こういう変化に気づいても、介護保険のサービスを使うほどではない気がして、どこへ相談すればよいか迷う。よくある場面だと思います。
久留米市の短期集中型訪問事業は、専門職が自宅を訪ね、困っている生活動作や栄養、口の状態、気分の落ち込みなどを短期間で整理する介護予防事業です。「元気向上訪問相談サービス」と「生活機能訪問相談サービス」の2種類があり、相談内容も担当職種も違います。
市の公式ページには申請案内や事業所一覧が載っていますが、本人や家族が直接申し込んで使う一般的な健康相談とは違います。対象になるか、どちらが合うか、いま利用できる事業者があるか。これらは本人の状態と介護予防ケアマネジメントを踏まえて決まります。
まずは担当のケアマネジャーか地域包括支援センターへ、今の困りごとを伝えるところからです。
2つの訪問相談サービスを先に見分ける
名称だけでは違いが分かりません。「どんな場面で困っているか」から考えると整理しやすくなります。市の案内では、どちらも本人の状態を確認し、日常生活や社会参加につながる助言を行う事業とされています。
| 比較する点 | 元気向上訪問相談サービス | 生活機能訪問相談サービス |
|---|---|---|
| 主な困りごと | 低栄養、口腔機能の低下、気分の落ち込み、閉じこもり傾向など | 歩行、立ち座り、入浴、トイレ、家事、嚥下、住環境など |
| 主な担当職種 | 管理栄養士、歯科衛生士、保健師、看護師など | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 |
| 訪問で行うこと | 食事や口の状態、生活状況を把握し、本人と家族へ助言する | 身体・生活動作を確認し、自主練習や動作、住宅環境の工夫を助言する |
| 利用前に確認すること | 対象となる状態、担当職種、訪問内容、利用回数、利用可能な事業者 | 対象となる状態、訪問タイプ、訪問内容、利用回数、利用可能な事業者 |
2026年8月14日時点で、どちらも利用者負担は無料です。ただし、利用するサービスや実施内容は本人の状態とケアプランによって決まります。家族が希望した回数をそのまま選べる仕組みではありません。現在の利用回数、実施期間、利用できる事業者は、担当ケアマネジャーか地域包括支援センターへ確認してください。
元気向上訪問相談は食事・口・気分をまとめて見る
「食事は取っていると言うが体重が減ってきた」「硬い物を避けるようになった」「家にこもる日が増えた」。こうした変化の裏では、栄養、口腔、気分、生活環境が重なっていることがあります。元気向上訪問相談サービスでは、管理栄養士や歯科衛生士、保健師などが自宅を訪ねて普段の様子を確認します。
自宅で見ることに意味があります。台所まで移動できるか、買い物や調理に負担がないか、義歯を使えているか、食卓でむせていないか、人と会う機会が減っていないか。暮らしの場で見ると、その方が続けられる工夫を考えやすくなります。
この事業で病気の診断や治療を行うわけではありません。体重減少、口の痛み、繰り返すむせ、強い気分の落ち込みがある場合は、相談と並行して、かかりつけ医や歯科医療機関への受診が必要になることがあります。
生活機能訪問相談は実際の動作と住環境を見る
生活機能訪問相談サービスでは、リハビリテーション専門職が本人の動きと自宅の環境を確認します。対象は運動機能にとどまりません。ベッドからの立ち上がり、トイレまでの移動、浴槽のまたぎ、階段、調理、飲み込み。生活の中の動作そのものを見ます。
市の案内には、次の2タイプがあります。
生活機能アドバイスタイプ
運動機能や生活機能が低下傾向にある方へ、自主練習、動作の工夫、手すりや家具配置などの住環境について助言します。目指すのは、訓練を受け続けることではなく、自宅で自分でできる方法を身につけて日常の活動へ戻ることです。
集中デイアセスメントタイプ
短期集中通所サービス、いわゆる集中デイを利用する予定の方に対し、利用前に自宅で生活上の支障を確かめるタイプです。通所中の運動だけでは見えない自宅の段差や動線、本人が取り戻したい動作を把握し、集中デイで取り組む内容へつなげます。
対象は年齢だけでは決まらない
市の事業概要では、事業対象者、要支援1、要支援2の方のうち、運動機能の低下、低栄養、口腔機能の低下、気分の落ち込みや閉じこもり傾向などがあり、訪問型サービスによって自立した生活を送れると見込まれる方を対象としています。
要支援の認定があれば自動的に使える、という制度ではありません。本人が望む生活、今できていること、困っている動作、他のサービスの利用状況を確認し、介護予防ケアマネジメントの中で必要性を検討します。
| 相談時に伝えること | 具体的な伝え方 |
|---|---|
| 以前はできていたこと | 春までは一人で近所の店へ行けていた |
| 今困っている場面 | 浴槽をまたぐ時に足が上がりにくい |
| 食事や口の変化 | 半年で体重が減り、肉を残すことが増えた |
| 外出や気分の変化 | 週2回の集まりを休むようになった |
| 本人の希望 | 自分で風呂に入りたい、庭仕事を再開したい |
| 医療上の注意 | 持病、服薬、転倒歴、食事や運動についての指示 |
家族からの「転ばないでほしい」という希望に加えて、本人が何を再開したいのかも伝えてください。目標が具体的なほど、訪問で見るべき動作や環境が絞れます。
短期の支援だから、終了後の暮らしも一緒に考える
この事業は、専門職が長期間にわたって家事や介助を代行するものではありません。一定期間の訪問で生活上の課題を整理し、自宅で続けられる方法を考える介護予防の支援です。現在の訪問回数や実施期間は、本人の状態と利用するサービスによって変わるため、担当ケアマネジャーか地域包括支援センターへ確認してください。
短期の支援なので、訪問が終わったあとの暮らしを最初から考えておきます。自主練習を続ける、地域の通いの場へ参加する、家事を再開する、必要な介護サービスへつなぐ。ここが決まっていないと、訪問中はできていたことも続きません。
訪問相談そのものは無料ですが、助言を受けて用意する物品、住宅改修、福祉用具、医療機関の受診は事業に含まれません。必要になった場合は、介護保険など別の制度の対象になるか、自己負担がいくらかを個別に確認します。
相談から利用までの流れ
市の利用フローでは、ケアマネジメント実施者などが対象者を把握し、ケアプラン原案を作り、サービス担当者会議で訪問型サービスの利用を検討します。その後、申請書、介護保険被保険者証、訪問型サービスを位置づけたケアプランなどを市へ提出し、市が内容を確認して利用が決まります。
- 担当ケアマネジャーまたは地域包括支援センターへ相談する
- 本人の状態と生活上の課題を整理する
- どちらの訪問相談が合うか、ケアプランの中で検討する
- サービス担当者会議を経て利用申請を行う
- 市の利用決定後、訪問事業者と計画を確認する
- 訪問中に評価し、終了後の生活や支援へつなぐ
申請窓口は久留米市長寿支援課です。ただし、本人や家族だけでサービス内容を決めて事業者と契約する流れではありません。要介護認定を受けていない方や、担当ケアマネジャーがいない方は、住んでいる地区を担当する地域包括支援センターに、最近困り始めた生活場面を伝えるところから始めてください。
市のページで混同しやすい期限
市の公式ページには、利用者向けの説明と、受託事業者向けの募集案内が同じページに載っています。ここが分かりにくい部分です。
記載されている2026年12月28日は、訪問サービスを提供したい事業者が参加資格審査を申請する期限です。市民がサービス利用を申し込める期限ではありません。この日付を見て「もう間に合わない」と考える必要はありません。
元気向上訪問相談の本文ページは2024年5月、生活機能訪問相談の本文ページは2026年7月に更新されています。2026年8月14日現在、両ページには利用希望者向けの申請案内と事業所一覧が掲載されています。
ウェブページだけで利用の可否を判断せず、現在の受付状況、対象条件、利用できる事業者、回数は担当ケアマネジャーか地域包括支援センターへ確認してください。
よくある質問
要支援認定を受けていなくても相談できますか
相談できます。利用対象には事業対象者も含まれます。心身の状態や生活上の困りごとを確認し、介護予防ケアマネジメントの中で必要性を判断します。担当地区の地域包括支援センターへご相談ください。
家族が市役所へ直接申請すれば利用できますか
申請書を出すだけで決まる仕組みではありません。ケアプランへの位置づけやサービス担当者会議を経て、市が申請内容を確認します。最初にケアマネジャーか地域包括支援センターへ相談するほうが、実際の流れに沿っています。
訪問リハビリと同じサービスですか
違います。生活機能訪問相談は短期間の介護予防事業として、生活動作や住環境を評価し、続けられる方法を助言します。医師の指示に基づく訪問リハビリテーションとは、制度も目的も別です。
2つの訪問相談を家族が選べますか
希望や困りごとは伝えられますが、名称だけで自由に選ぶものではありません。食事・口腔・気分の課題なのか、運動・生活動作・嚥下の課題なのかを整理し、ケアマネジメントを通じて適した支援を検討します。
まとめ
久留米市の短期集中型訪問事業には、食事・口・気分などを扱う元気向上訪問相談と、運動・生活動作・嚥下・住環境などを扱う生活機能訪問相談があります。どちらも、自宅でできることを増やし、その後の生活へつなぐための短期の支援です。
相談するときに、制度名を調べてから連絡する必要はありません。「何ができなくなったか」「何をもう一度できるようになりたいか」。この2つを具体的にして、担当ケアマネジャーか地域包括支援センターへ伝えてください。
情報確認日:2026年8月14日



