この記事の目次
  1. 四つの住まいを比較する
  2. 養護老人ホームは「経済」と「環境」の両方を見る
    1. 年金が少なく、住宅も住み続けにくい
  3. ケアハウスは施設へ直接申し込む
    1. 62歳で、家族の援助を受けにくい
  4. 生活支援ハウスは「自分で暮らせるが不安」が出発点
    1. 生活動作は自立しているが、独居に不安がある
  5. 特養は要介護認定を前提とする介護保険施設
  6. 制度名より、本人が困っている理由から相談する
  7. よくある疑問
    1. 養護老人ホームは、年金が少なければ申し込めますか
    2. 要介護認定がなくても入れる施設はありますか
    3. 生活支援ハウスで介護を受けながら暮らせますか
    4. 申し込めば、すぐ入所できますか

親の年金では有料老人ホームの月額費用を払い続けるのが難しい。家は傷みが進み、一人で住み続けられる状態でもない。それでも、要介護度だけを見ると特別養護老人ホームの対象には当てはまらないことがあります。

こうした相談で候補になるのが、養護老人ホーム、ケアハウス・軽費老人ホーム、生活支援ハウスです。いずれも高齢者の住まいですが、入所理由、決定する人、費用の決まり方が違います。違いは三つです。

「介護が多く必要だから入る施設」だけで住まいを探すと、経済的な事情や住宅環境を理由とする制度を見落とします。まずは四つの選択肢を同じ表で比べます。

四つの住まいを比較する

比べる点養護老人ホームケアハウス・軽費老人ホーム生活支援ハウス特別養護老人ホーム
対象年齢の目安おおむね65歳以上60歳以上。夫婦はどちらかが60歳以上久留米市民でおおむね65歳以上原則65歳以上
要介護認定問わない問わない4要件をすべて満たし、常時介護を要しない状態原則要介護3以上
決め手になる理由経済的理由と環境上の理由の両方虚弱、家族環境、住宅事情などで自宅生活に不安がある一人暮らし・夫婦のみ世帯で、独立した在宅生活に不安がある日常的に介護を必要とし、自宅生活が難しい
費用の決まり方本人と扶養義務者の負担能力入居者の負担能力と各施設の料金設定前年収入から必要経費を控除した後の収入介護保険の自己負担、食費、居住費など
申込先久留米市長寿支援課各施設へ直接久留米市長寿支援課施設へ申し込み、ケアマネジャー等と調整
入所を決める人市が入所判定委員会を経て決定各施設市が要件を確認各施設が状態や受け入れ体制を確認

四つのうち、養護老人ホームと生活支援ハウスは市への相談から始まります。ケアハウスは各施設へ直接申し込みます。特養は介護保険施設で、要介護認定が選択の前提です。

比較表に当てはまるからといって、入所が決まるわけではありません。本人の状態、所得、住まい、家族関係、施設の受け入れ状況を確認して、市や各施設が判断します。比較表だけでは決まりません。

養護老人ホームは「経済」と「環境」の両方を見る

養護老人ホームは、おおむね65歳以上で、経済的な理由と環境上の理由の両方により、自宅で暮らすことが難しい人を対象とする施設です。対象は二つの理由で決まります。

久留米市の公式ページでは、経済的な理由として、生活保護を受けている世帯、市町村民税の所得割が非課税の人、災害などで生活が困窮していると認められる場合を挙げています。経済面も確認対象です。

環境上の理由には、住む家がない、住宅環境が劣悪で居住を続けられない、家族との同居が本人の心身を著しく害し、同居を続けることが難しい場合があります。環境面の条件もあります。

収入が少ないことだけでも、家が古いことだけでも要件を説明しきれません。経済と環境の両面を、市長寿支援課へ具体的に伝える必要があります。両面の確認が必要です。

入所の可否は、市が設置する老人ホーム入所判定委員会の判定を経て決まります。費用は、本人と扶養義務者の負担能力に応じて市へ納めます。市の判定を経ます。

相談からは、市職員による面接、入所判定委員会、施設職員による面接へ進みます。要件を満たしても、入院治療が必要な病気や感染性の病気がある場合は入所できません。入所できない場合もあります。

根拠は、次の久留米市公式ページです。

「養護老人ホームへの入所について」

ページの更新日は2021年9月30日、確認日は2026年8月20日です。令和8年度パンフレットとも要件を照合しました。

年金が少なく、住宅も住み続けにくい

一人暮らしの親は年金収入が少なく、雨漏りや衛生面の問題がある住宅で暮らしているとします。家族との同居も難しく、自宅を修繕する資金もない状況を想定します。ここで挙げるのは、制度の相談先を考えるための例です。

経済的な理由と環境上の理由の両方に当たる可能性があり、養護老人ホームを市へ相談する場面です。実際の所得や住宅状況を確認し、最終判断は久留米市が行います。判断するのは久留米市です。

ケアハウスは施設へ直接申し込む

ケアハウス・軽費老人ホームは、60歳以上で、虚弱や家族環境、住宅事情などにより、自宅生活に不安がある人の住まいです。夫婦の場合、どちらかが60歳以上なら年齢要件を満たします。年齢要件があります。

介護を必要とするほどではないものの、一人での生活に不安がある人も対象として案内されています。どの程度の生活支援が受けられるかは、候補施設へ確認します。支援内容は施設ごとです。

申込先は久留米市ではなく、各施設です。入居一時金の有無や金額、月額利用料は、入居者の負担能力と各施設によって異なります。

市の公式ページは更新日が2012年6月22日です。制度の基本的な位置づけは令和8年度パンフレットと照合しましたが、施設ごとの料金や受け入れ条件は現在の資料で確認する必要があります。

確認したページは、久留米市「ケアハウス等への入所について」です(2026年8月20日確認)。確認元は市のページです。

62歳で、家族の援助を受けにくい

62歳の親が一人暮らしをしており、身の回りのことは自分でできるものの、買い物や食事の準備に不安が出てきたとします。家族は遠方に住み、日常的な援助が難しいという想定です。生活上の不安が出ています。

要介護認定よりも、生活上の不安と住まいの支援を中心にケアハウスを検討するケースです。受け入れ条件、費用、提供される支援は施設が確認します。施設が条件を確認します。

生活支援ハウスは「自分で暮らせるが不安」が出発点

久留米市の生活支援ハウスは、市内に住むおおむね65歳以上の一人暮らし、または夫婦のみの世帯が対象です。高齢などを理由に、独立した在宅生活へ不安がある人の住まいです。対象は市内の高齢者です。

市の令和8年度パンフレットでは、次の四つをすべて満たすことを入所要件としています。要件は四つです。

  1. 日常生活の動作を一人で普通に行えるか、時間がかかっても自分で行える。
  2. ひどい物忘れなどがない。
  3. 共同生活へ影響する問題行動がない。
  4. 常時の見守りを必要としない。

常に介護や医療管理を必要とする状態の人には合いません。生活支援ハウスという名称から、介護施設と同じ支援を受けられると判断しないよう注意が要ります。介護施設とは限りません。

久留米市が案内している施設は「ふじの郷」です。所在地は久留米市白山町390-21、電話番号は0942-38-2235です。

費用は、前年の収入から租税、社会保険料、医療費などの必要経費を控除した後の収入に応じて決まります。申請は久留米市長寿支援課へ行います。

生活動作は自立しているが、独居に不安がある

70歳の親が一人で暮らし、身支度や排泄、食事は時間をかければ自分でできるとします。強い物忘れや問題行動はなく、常時の見守りも必要ありません。日常動作は本人が行います。

一方で、夜間の独居や急な体調変化へ不安があり、現在の住宅で生活を続けにくい状況です。この条件なら、生活支援ハウスを市へ相談する余地があります。独居への不安が残ります。

四要件の確認や所得に応じた費用の決定は、久留米市が行います。本人が求める暮らし方と共同生活への適応も、相談の中で確かめます。決定するのは市です。

一人暮らしを続ける選択肢も比較したい場合は、「久留米で一人暮らしの親を見守る方法」で、見守りサービスや相談先を整理できます。比較できる支援もあります。

特養は要介護認定を前提とする介護保険施設

特別養護老人ホームは、常に介護が必要で自宅生活が難しい人が利用する介護保険施設です。新規入所は原則として要介護3以上が対象です。

養護老人ホームと名称が似ていますが、選定の中心が違います。養護老人ホームは経済的・環境上の理由、特養は要介護認定と日常的な介護の必要性を軸にします。選定の軸が違います。

特養の費用は、介護保険サービスの自己負担に食費、居住費、日常生活費などを合わせて考えます。所得が低い人には、食費と居住費の負担を抑える制度があります。費用は合算して考えます。

費用の仕組みは、次の久留米市公式ページで確認できます。確認先は公式ページです。

「サービスの利用者負担」

ページの更新日は2026年6月2日、確認日は2026年8月20日です。確認日も明記されています。

有料老人ホームは、施設との契約に基づき入居します。家賃、管理費、食費、介護サービスの利用方法などは施設ごとに異なり、市の入所判定委員会が費用を決める仕組みではありません。

制度名より、本人が困っている理由から相談する

家族が施設名を決めてから相談すると、条件が合わなかったときに振り出しへ戻りやすくなります。「費用」「住宅」「介護」「一人暮らし」のどこが暮らしを難しくしているかを先に整理します。困り事から整理します。

相談の順番は、次のように考えます。

  1. 本人が自宅で困っている場面を具体的に書き出す。
  2. 要介護・要支援認定の有無と心身の状態を確認する。
  3. 本人の収入、世帯の課税状況、住宅環境を整理する。
  4. 養護老人ホームと生活支援ハウスは長寿支援課へ相談する
  5. ケアハウスは候補施設へ、特養はケアマネジャーや施設へ相談する

初回相談では、施設名を一つに絞る必要はありません。次の情報を家族の分かる範囲で一枚に書き出しておくと、市や施設が選択肢を比べやすくなります。

  • 現在の家で暮らし続けにくい具体的な理由
  • 本人の収入、世帯の課税状況、家賃や修繕費の負担
  • 家族が手伝える内容と頻度
  • 歩行、食事、排泄、服薬など普段の生活動作
  • 通院中の病気と、継続して必要な医療
  • 賃貸契約の終了や退院など、住まいを決める期限

分からない項目は空欄でも構いません。「収入が少ない」「一人では危ない」とだけ伝えるより、困っている場面と期限が分かる方が、次に確認すべきことが見えます。

本人の希望も別に書き留めます。住み慣れた地域を離れたくない、食事の時間を自分で決めたい、通院先を変えたくないなど、暮らし方の希望は制度要件だけでは拾えません。

久留米市長寿支援課の電話番号は0942-30-9038です。市の公式ページで2026年8月20日に確認しました。電話番号と確認日です。

どの窓口から始めるか迷う場合は、「久留米で親の介護相談はどこにする?」で、地域包括支援センターを含む相談先を確認できます。相談先はリンクで確認できます。

本人の判断力や財産管理にも心配があるときは、住まい探しと並行して権利擁護の相談が必要になることがあります。「高齢者の財産管理と権利擁護」も参考にしてください。権利擁護も選択肢です。

よくある疑問

養護老人ホームは、年金が少なければ申し込めますか

経済的な理由に加え、住まいや家族関係などの環境上の理由にも当たる必要があります。長寿支援課が状況を確認し、入所判定委員会を経て市が決定します。市が入所を決定します。

要介護認定がなくても入れる施設はありますか

養護老人ホーム、ケアハウス、生活支援ハウスは、要介護認定だけを入所の基準にしていません。それぞれ年齢、生活状況、所得、住宅環境などの条件があります。認定だけでは決まりません。

生活支援ハウスで介護を受けながら暮らせますか

入所要件には、日常生活動作を自分で行え、常時の見守りを必要としないことが含まれます。必要な支援が増えている場合は、別の住まいも含めて市へ相談します。別の住まいも検討します。

申し込めば、すぐ入所できますか

市や施設による要件確認、面接、受け入れ状況の確認があります。入所時期は一律ではありません。現在の住まいを離れる期限がある場合は、最初の相談でその日付を伝えます。

住まいの選択肢は、施設の名前よりも、本人が自宅で暮らせない理由によって分かれます。経済、住宅、介護、家族関係を一枚にまとめてから相談すると、適した窓口へつながりやすくなります。分ける基準は暮らせない理由です。

明日、本人が今の家で最も困っている場面を一つだけ紙に書いてください。やることは一つです。