この記事の目次
  1. 実施前の確認は、爪と周囲の皮膚から
  2. 巻き爪や厚い爪を、技術だけの問題にしない
  3. 説明と同意、見える明るさも実施の条件になる
  4. 切り方を覚える前に、相談する相手を決める

介護職が行う爪切りには、実施できる条件があります。爪自体や周囲の皮膚に異常がなく、糖尿病などの疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合が対象です。

専門的な管理が必要かどうかは、医師または看護職員が判断します。「いつも切っているから」と、その日の変化を見ずに始めないことです。

厚生労働省の「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」のNo.28に、爪切りと爪やすりの条件、実施前の確認、医療職との連携がまとめられています。2026年10月23日に本文を確認しました。

実施前の確認は、爪と周囲の皮膚から

ガイドラインが挙げる条件は、爪そのものに異常がないこと、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がないこと、疾患に伴う専門的な管理が必要でないことです。

糖尿病の病名だけを見て、その人への対応を機械的に決めるのは適切ではありません。反対に、病名を聞いていないから切ってよい、とすることもできません。本人の爪の状態と、医療職が判断した管理の必要性を合わせて確認します。

実施前には、次の点を担当者間で確かめます。

  • 爪や周囲の皮膚に、いつもと違う変化がないか。
  • 医師や看護職から、管理についてどのような指示を受けているか。
  • 本人に痛みや不快感がなく、今行うことを了承しているか。
  • 迷ったときや途中で異常があったとき、誰へ連絡するか。

確認項目は、医療職と情報を共有するためのものです。専門的な管理が必要かは、見た目だけで決めず、医療職へ確認する内容です。

巻き爪や厚い爪を、技術だけの問題にしない

爪が切りにくいと、より強い器具や切り方を探したくなるかもしれません。その前に、介護職が行える範囲かを確認します。

ガイドラインは、専門的な管理が必要な爪の爪切りは介護職員が行えないとし、巻き爪や陥入爪の例も示しています。どの器具を使えばできるかという話へ急がず、状態を医療職へ伝えてください。

伝える際には、「爪が悪い」だけで終えず、手か足か、どの指か、何がいつもと違うか、本人が何を訴えているかを言葉にします。自分が切れると思うかよりも、医療職が判断するための情報を渡すことが先です。

説明と同意、見える明るさも実施の条件になる

ガイドラインは、利用者への説明と同意、爪の状態を確認できる明るさ、安楽な姿勢での実施を示しています。切る間も、本人の表情や痛み、不快感を確認する内容です。

爪を切る準備には、器具をそろえるだけでなく、本人が今から何をされるか分かるように伝える時間が含まれます。手を差し出してもらう、足の位置を整えるといった場面でも、無理な姿勢を続けていないか確認します。

日常のケアでも、本人の同意と医療職との連携を前提にする点は、点眼を手伝う際の確認にも共通します。ただし、点眼と爪切りでは実施できる条件が異なります。行為ごとの条件を読む必要があります。

切り方を覚える前に、相談する相手を決める

厚生労働省の現行案内は、介護職員が医療職と連携して安全に行うための資料として、このガイドラインを掲載しています。

職場の手順書には、実施前の確認に加え、専門的な管理の要否を誰が確認したか、異常があったら誰へつなぐかを残しておきます。別の利用者で問題なくできたという経験を、次の人の実施条件にはできません。

日々の爪切りで迷いがあるなら、次に切る前に、本人の爪の状態を医師や看護職へ伝えてください。切ってから報告する形にせず、実施できる範囲と連絡の順を先に共有しておくと、担当者が交代しても判断を引き継げます。

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