この記事の目次
50代の夫が脳梗塞で倒れた。退院後も着替えや入浴に手助けが要るようになった。介護保険は高齢者の制度だと思い、家族だけで支えようとする人もいます。
65歳になる前でも、介護保険サービスを利用できます。条件を満たした場合です。必要なのは、医療保険に加入していること、介護が必要になった原因が法令で定める16の特定疾病であること、久留米市の要介護・要支援認定を受けることです。
年齢だけでも、病名だけでも決まりません。交通事故など特定疾病以外の原因だけで介護が必要になった場合は、第2号被保険者として介護保険を使う対象から外れます。
使える条件は三つある
医療保険に加入する40歳以上65歳未満の人は、介護保険の第2号被保険者です。サービスを使うには、次の条件をすべて確認します。
- 40歳から64歳で、医療保険に加入している。
- 要介護・要支援状態になった原因が16の特定疾病に当たる。
- 申請後、久留米市から要介護または要支援と認定される。
40歳からの保険料負担と、利用条件は別です。すべての病気やけがでサービスを使えるわけではありません。第2号被保険者には、原因となる病気の条件があります。
確認には主治医意見書を使います。特定疾病に当たるかを判断するためです。申請者や家族が病名を一覧と見比べて、最終判断する仕組みではありません。
久留米市の申請ページにも案内があります。第2号被保険者について、主治医意見書から特定疾病への該当を判断するという内容です。
55歳で脳血管疾患の後遺症がある
55歳で医療保険に加入する人が、脳血管疾患の後遺症により歩行や入浴の介助を必要としていると仮定します。脳血管疾患は16特定疾病の一つです。
この条件なら申請の対象になり得ます。申請先は久留米市です。どの程度の介護が必要か、原因が特定疾病に該当するかは、訪問調査、主治医意見書、審査を通じて市が認定します。
対象になる特定疾病は16種類
正式名称の確認先です。久留米市「高齢者支援パンフレット(令和8年度版)」p.20と、介護保険法施行令第2条で確認しました(2026年8月20日確認)。
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)。
- 後縦靱帯骨化症。
- 骨折を伴う骨粗しょう症。
- 多系統萎縮症。
- 初老期における認知症。
- 脊髄小脳変性症。
- 脊柱管狭窄症。
- 早老症。
- 糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症。
- 脳血管疾患。
- パーキンソン病関連疾患。
- 閉塞性動脈硬化症。
- 関節リウマチ。
- 慢性閉塞性肺疾患。
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症。
- がん(医師が一般に認められた医学的知見に基づき、回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの)。
似た病名でも確認が必要です。法令上の診断基準に当たるかは、医師の意見をもとに判断されます。たとえば骨粗しょう症は、一覧上「骨折を伴う骨粗しょう症」と定められています。
初老期における認知症では、確認が必要です。年齢と原因疾患を見ます。家族が「若年性認知症だと思う」と伝えるだけで認定されるわけではなく、医療機関の診断と主治医意見書が必要です。
病名の詳しい医学的説明は、この記事では扱いません。該当する可能性があるときは主治医へ確認し、介護の必要性について久留米市へ相談します。
がんは診断名だけで対象になるわけではない
特定疾病のがんには、法令上の状態要件があります。がんと診断されたすべての40歳から64歳が、直ちに介護保険の対象になるという仕組みではありません。
介護保険法施行令は、医師が一般に認められた医学的知見に基づき、回復の見込みがない状態に至ったと判断したものと定めています。本人や家族が病期だけで決めることは避けます。
52歳でがん治療中、生活介助が増えた
52歳で医療保険に加入する人の例です。がん治療中に移動や排泄の介助を必要とするようになったと仮定します。がんという診断名だけでは、特定疾病の状態要件を満たすか分かりません。
まず、主治医へ伝えます。介護保険申請を考えていることを共有し、久留米市介護保険課へ相談します。特定疾病への該当と要介護状態区分は、市が認定手続きの中で判断します。
特定疾病以外の病気やけがが原因の場合
介護が必要なだけでは対象になりません。第2号被保険者は、要介護状態の原因が16の特定疾病に当たる必要があります。
48歳で交通事故後に介助が必要になった
48歳で医療保険に加入する人の例です。交通事故によるけがだけを原因として介助を必要としていると仮定します。交通事故は16特定疾病に含まれないため、第2号被保険者として介護保険を使う条件には合いません。
この場合も、支援がないという意味ではありません。障害福祉、医療、自治体の相談支援など、本人の状態に合う制度を確認します。利用できる制度の最終判断は各担当機関が行います。
家族だけでは切り分けません。特定疾病と交通事故の影響が重なっている人は、主治医と介護保険課へ相談します。
申請から認定までは65歳以上と同じ流れ
久留米市では、次の順で要介護認定を進めます。
- 要介護・要支援認定を申請する。
- 訪問調査を受け、主治医が意見書を作成する。
- 介護認定審査会が調査結果と主治医意見書を審査する。
- 久留米市が要介護状態区分を認定し、結果を通知する。
- 認定結果に基づき、ケアプランを作ってサービス利用を始める。
申請時には、医療保険被保険者証が必要です。申請書には主治医の病院名と医師名も記載します。
申請方法と認定調査はこちらです。次の久留米市公式ページで確認できます。
ページの更新日は2024年8月15日です。確認日は2026年8月20日です。
伝えるのは病名だけではありません。発症前と比べて、立ち上がり、移動、着替え、入浴、排泄、食事、服薬、仕事にどのような変化が出たかを書き出します。
介助が隠れていることもあります。家族が手伝っているため、本人が一人でできているように見える動作です。「毎朝、妻が服を並べている」「通院日は息子が階段を支えている」など、介助がある状態をそのまま伝えます。
日による変化があります。疲労や症状に日内変動がある人は、調査当日の様子に加えて、調子が悪い日の頻度と困りごとも共有します。診断は医師が行います。介護の必要度を認定するのは久留米市です。
詳しい準備はこちらです。「久留米市で要介護認定を申請する流れ」にもまとめています。
証書の扱いは年齢で異なります。65歳以上の人には介護保険被保険者証が交付されます。40歳から64歳では、要介護認定を受けた場合などに交付されます。申請前に証書が見当たらないことだけで、対象外とは決まりません。
久留米市介護保険課の認定担当は0942-30-9205です。分かる範囲で十分です。本人の住所、年齢、医療保険、主治医、病名、生活で困っていることを伝えます。
障害福祉サービスとの関係
この年代には複数の制度があります。障害福祉サービスを利用している人や、新たに相談できる人もいます。介護保険と障害福祉のどちらかを本人が自由に選ぶ、という整理にはなりません。
基本は介護保険の優先です。障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合に当てはまります。ただし、サービス内容や本人の心身の状態、これまでの利用状況を見ずに一律で切り替えるものでもありません。
厚生労働省は、個別の状況を確認して適用関係を判断するよう自治体へ示しています。根拠は次の通知です。
根拠となる通知です。厚生労働省「自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」
通知は2026年8月20日に確認しました。
専門職同士でも共有します。すでに障害福祉の相談支援専門員がいる人は、介護保険課への申請前後に情報をつなぎます。
最初の相談先はこちらです。久留米市で窓口が分からない場合は、「久留米で親の介護相談はどこにする?」も参考になります。
働く世代だからこそ、生活全体を伝える
事情が重なる年代です。本人が就労を続けている、子育て中である、住宅ローンを抱えている、親も高齢で支援者になれないといった場合があります。
調査では暮らしを伝えます。できる動作だけでなく、日による変動、仕事の後に介助が増える場面、家族が代わって行っていることも具体的な材料です。
介護と仕事は分けて考えます。家族が仕事を休んで介護を担っている場合、介護サービスの調整と職場で使える制度の確認は別です。「久留米で仕事と介護を両立するには」も参考になります。
よくある疑問
40歳になれば、介護保険サービスを使えますか
年齢だけでは決まりません。医療保険に加入し、16特定疾病を原因として要介護・要支援状態になり、久留米市の認定を受ける必要があります。
交通事故で介護が必要になった場合は対象ですか
交通事故だけでは対象になりません。第2号被保険者として介護保険を使う条件には合わないためです。障害福祉や医療など、別の制度があります。相談先は担当窓口です。
がんと診断されたら、いつから申請できますか
開始時期は診断名だけで決まりません。法令が定める状態に当たるかを主治医へ確認し、生活で介助が必要になっている状況を介護保険課へ伝えます。
申請時に介護保険証が見当たりません
証書がなくても相談できます。第2号被保険者には、認定を受けた場合などに介護保険被保険者証が交付されます。申請時は医療保険被保険者証と主治医情報を準備し、介護保険課へ相談します。
この年代の介護保険では、年齢、医療保険、原因となった病気、介護の必要性を一つずつ確認します。家族だけで結論は出せません。相談先は主治医と久留米市です。明日は、まず主治医へ、16特定疾病に心当たりがあることを伝えてください。
介護施設・老人ホームについてご相談ください
親御さんの暮らしや施設選びについて、現在の状況とご希望を伺いながら選択肢を整理します。



