在宅で重い介護を続けている家族にとって、身体的な負担だけでなく、仕事、睡眠、家計、気持ちの余裕も大きな課題になります。久留米市には、要介護4・5の高齢者等を家族が介護保険サービスをほとんど利用せず在宅で介護している場合、申請して認められると介護者に慰労金を支給する「家族介護慰労金」の制度があります。
この記事では、久留米市の家族介護慰労金について、対象条件、支給対象期間、支給額、申請前に家族が確認したいことを整理します。条件が細かい制度なので、「もらえるはず」と決めつけず、早めに地域包括支援センターや市の窓口へ確認しましょう。
家族介護慰労金とは
家族介護慰労金は、在宅で介護負担の大きい要介護4・5の高齢者等を、その家族が介護保険サービスをほとんど利用せず介護している場合に、介護者を慰労する制度です。
久留米市公式ページでは、申請して認められると、その介護者に慰労金を支給すると案内されています。介護サービスを使いながら在宅介護を続ける家庭が多い中で、この制度は「介護保険サービスをほとんど利用していない」ことが大きな条件になります。
主な支給要件
久留米市公式ページでは、次の要件をすべて満たす人が支給対象とされています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 介護度 | 被介護者が要介護4・5の認定を受けている |
| 住民票 | 被介護者、介護者とも久留米市に住民票がある |
| 介護状況 | 同居または同居に準ずる状態で介護している |
| 保険料 | 被介護者、介護者とも介護保険料を滞納していない |
| 期間 | 被介護者を1年以上、在宅で介護していた |
| サービス利用 | 支給対象期間に介護サービスをほとんど利用していない |
| 介護者 | 介護者が生活保護を受給していない |
住宅改修、福祉用具の貸与、年間10日以内の介護サービス利用は支給対象となると案内されています。逆に言えば、デイサービス、ショートステイ、訪問介護などを一定以上利用している場合は、対象外になる可能性があります。
支給対象期間と支給額
支給対象期間は、申請日以前の過去1年間です。支給額は上限が年間12万円と案内されています。ただし、30日を超える入院がある場合は減額して支給されます。また、1世帯に複数の対象者がいる場合は、要件を満たしていれば、その人数分支給するとされています。
ここで注意したいのは、金額だけを見て判断しないことです。家族介護慰労金は、介護サービスを使わずに在宅で重い介護を続けている家庭を想定した制度です。慰労金のために必要な介護サービスを控えることは避けるべきです。
申請前に確認すること
申請を考える場合、次の情報を整理しておくと相談しやすくなります。
介護保険サービスの利用状況
過去1年間に、デイサービス、ショートステイ、訪問介護、訪問看護、福祉用具貸与、住宅改修などを利用したか確認します。年間10日以内の介護サービス利用は対象となると案内されていますが、具体的な扱いは窓口で確認しましょう。
入院期間
30日を超える入院がある場合は減額して支給されます。入院した病院名、期間、退院日を整理しておくと申請時に確認しやすくなります。
介護者と被介護者の住所
被介護者、介護者とも久留米市に住民票があり、同居または同居に準ずる状態で介護していることが条件です。別居で頻繁に通っている場合などは、自己判断せず確認が必要です。
介護保険料の滞納
被介護者、介護者とも介護保険料を滞納していないことが条件に含まれています。家族が把握していない滞納がないかも確認しましょう。
申請に必要なもの
久留米市の申請書ページでは、申請書、住民票、健康保険証または後期高齢者医療被保険者証の写し、介護保険被保険者証の写し、介護者名義の預金通帳の写し、同意書などが必要なものとして案内されています。
申請書の提出は、対象期間の末日の翌日から1年以内に行うこととされています。期限を過ぎないように、対象期間がいつ終わるのかを早めに確認しましょう。
慰労金より大切にしたいこと
家族介護慰労金は、在宅介護を続ける家族にとって助けになる制度です。しかし、慰労金を受けるために介護サービスを使わない状態を無理に続けることは、本人にも家族にも負担が大きくなります。
次のような状態がある場合は、慰労金の対象になるかどうかよりも、介護サービスや施設相談を優先して考えるべきです。
- 介護者が眠れていない
- 排せつ介助や移乗介助で腰を痛めている
- 認知症の症状で目が離せない
- 食事や水分が十分に取れていない
- 介護者が仕事を辞めるか迷っている
- 家族内で介護分担の不満が大きい
- 本人の医療管理が難しくなっている
介護者が倒れてしまうと、本人の生活も急に不安定になります。慰労金は制度の一つとして確認しつつ、必要なサービスを使う判断も大切です。
家族で話し合うチェックリスト
申請前に、家族で次の点を確認しておきましょう。
- 過去1年間、どの介護サービスを何日利用したか
- 入院期間はあるか
- 介護者は誰として申請するか
- 介護者名義の口座を用意できるか
- 住民票、保険証、介護保険証の準備ができるか
- 介護者の負担が限界に近づいていないか
- 今後も在宅介護を続ける体制があるか
- ケアマネや地域包括支援センターに相談済みか
制度の条件だけでなく、家族の今後の介護方針も同時に整理することが重要です。
介護サービス利用と慰労金で迷う時
家族介護慰労金を調べている方の中には、「サービスを使うと対象外になるなら、もう少し家族で頑張ろう」と考える方もいます。しかし、介護サービスを控えることで、本人の安全や介護者の健康が損なわれては本末転倒です。
要介護4・5の在宅介護では、移乗、排せつ、食事、服薬、夜間対応など、家族だけでは負担が大きくなりやすい場面が多くあります。ショートステイを使えば介護者が休めるかもしれません。訪問介護を使えば、朝夕の介助を分担できるかもしれません。デイサービスを使えば、本人の入浴や日中活動につながることもあります。
慰労金は大切な制度ですが、家族の休息や本人の生活の質と比べて、どちらを優先すべきかは家庭ごとに違います。迷う場合は、支給対象になるかどうかだけでなく、「今の在宅介護を安全に続けられるか」をケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しましょう。
介護者の体調チェック
申請を考えるほど長く在宅介護を続けている家庭では、介護者自身の体調も確認が必要です。
- 睡眠時間が足りていない
- 腰痛や肩こりが慢性化している
- 食事をゆっくり取れていない
- 仕事を休む回数が増えている
- きょうだい間の負担差に不満がある
- 本人に強く当たってしまうことがある
- 将来の見通しが立たず不安が強い
これらは、介護者が弱いから起きるのではありません。重い介護を長く続ければ、誰にでも起こり得ます。慰労金の申請と同時に、介護者の休息、相談先、サービス利用も見直しましょう。
よくある質問
久留米市の家族介護慰労金はいくらですか?
久留米市公式ページでは、上限は年間12万円と案内されています。ただし、30日を超える入院がある場合は減額して支給されます。
要介護3でも対象になりますか?
久留米市公式ページでは、被介護者が要介護4・5の認定を受けていることが要件として示されています。要介護3の場合は原則対象外と考えられるため、個別事情は地域包括支援センターや市の窓口で確認しましょう。
デイサービスを使っていると対象外ですか?
支給対象期間に介護サービスをほとんど利用していないことが条件です。住宅改修、福祉用具貸与、年間10日以内の介護サービス利用は対象となると案内されています。利用日数や内容は窓口で確認してください。
申請はどこに出しますか?
申請書ページでは、地域包括支援センターを通じて申請書により長寿支援課または総合支所へ申請すると案内されています。まずは地域包括支援センターへ相談するとよいでしょう。
慰労金のために介護サービスを使わない方がよいですか?
そうではありません。本人と介護者の安全が優先です。介護負担が大きい場合は、慰労金の対象になるかどうかだけでなく、デイサービス、ショートステイ、訪問介護、施設相談も含めて考えましょう。
まとめ
久留米市の家族介護慰労金は、要介護4・5の高齢者等を、家族が介護保険サービスをほとんど利用せず在宅で介護している場合に、介護者を慰労する制度です。上限は年間12万円ですが、要件は細かく、介護サービス利用、入院期間、住民票、保険料の滞納などの確認が必要です。
制度を知ることは大切ですが、慰労金のために無理な在宅介護を続けることは避けましょう。本人の安全と介護者の健康を守るため、地域包括支援センターやケアマネジャーと相談しながら、必要なサービスを選ぶことが大切です。
ご相談ください
在宅介護の負担や制度申請でお悩みの方は、家族介護慰労金の条件確認、地域包括支援センターやケアマネジャーへ伝える内容、介護サービス利用の考え方を整理します。通所介護や施設見学など当社で確認できる内容も、対応範囲を確認しながらご相談ください。



















