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在宅酸素療法を続ける人がいる家庭では、停電してから初めて機器の動きや予備酸素を調べるのでは間に合わないことがあります。平時に主治医と酸素供給業者へ連絡し、本人の処方、機種、酸素流量、使用時間に合う停電時の手順を決めておきましょう。
家族の判断で酸素流量を増減したり、機器を独自に接続したりしてはいけません。一般的な防災情報より、主治医の個別指示と、契約しているメーカー・機種の最新取扱説明書を優先します。
主治医と供給業者の連絡先を一枚にする
日本呼吸器学会の災害関連情報は、停電に備えて医療機関と機器メーカーの連絡先、予備酸素ボンベ、機器のバッテリーを確認するよう案内しています。本人の機器で何を準備するかは供給業者へ確認します。
連絡表には次をまとめます。
- 主治医・医療機関の通常時と時間外の連絡先
- 酸素供給業者の通常窓口と緊急窓口
- 酸素濃縮器、ボンベ、携帯用機器の製品名・型番
- 医師から指示された酸素流量と使用時間
- 停電時にどの機器へ切り替えるか
- 症状が変わったとき、119番を含めどこへ連絡するか
機器の型番は本体の表示を見て記録し、取扱説明書も一緒に保管します。家族が複数いる場合は、全員が同じ手順を見られるようにします。
予備酸素と電池は「何時間分か」を確認する
予備ボンベが家にあっても、残量と設定によって使える時間は変わります。日本呼吸器学会の案内は、予備酸素ボンベの在庫・残量と、機器のバッテリー持続時間を事前に確かめるよう促しています。
家族だけで計算せず、供給業者へ「現在の医師の指示どおり使った場合、予備ボンベ一本がどのくらい持つか」「内蔵・外付け電池の確認方法」「交換や配送を頼む連絡基準」を聞きます。ボンベの切替方法は、実物を前に説明を受けてください。
24時間の使用、高い流量、人工呼吸器の併用などでは、ボンベだけで長時間をしのぐことが難しい場合があります。停電の見込みが長いときに、どの時点で医療機関や避難先へ相談するかを主治医と決めます。
酸素使用中は2m以内に火気を置かない
酸素そのものが燃えるわけではありませんが、燃焼を助けます。厚生労働省の2026年7月7日更新の注意喚起は、在宅酸素療法中、酸素濃縮装置等の周囲2m以内に火気を置かないこと、特に酸素吸入中はたばこを吸わないことを示しています。
注意するのは、本人の喫煙だけではありません。家族や来客のたばこ、ガスこんろ、石油・ガス暖房器具、ろうそく、線香など、火が出るものの位置を見直します。調理や暖房をどうするかは部屋の広さや機器によって異なるため、自己流の距離へ置き換えず、厚労省の2mの注意と各機器の取扱説明書を守ります。
火災を心配して処方された酸素を家族判断で止めることも避けてください。厚労省は、取扱説明書に従い、医師の処方どおり酸素を吸入するよう案内しています。
停電が起きたら決めた手順で連絡する
停電したら、まず本人の呼吸や意識など普段との違いを見ます。そのうえで、あらかじめ説明を受けた手順で予備機器へ切り替え、供給業者や医療機関へ連絡します。初めて取扱説明書を読みながら、暗い場所で接続を試すのは危険です。
息苦しさが強い、唇の色が普段と違う、意識がはっきりしないなど緊急性を感じる場合は119番へ連絡します。酸素流量を増やして様子を見ることを優先せず、救急隊へ在宅酸素療法中であること、現在の機器と処方、停電時刻を伝えてください。
避難と長時間停電まで考えておく
避難所に電源があるとは限りません。自治体の要配慮者支援を利用できるか、移動に必要な携帯用酸素、車で運ぶ場合の注意、避難先で供給業者が対応できる範囲を平時に確認します。ボンベの保管・運搬は供給業者の指示に従います。
スマートフォンの連絡先だけでなく、紙にも主治医、供給業者、家族の番号を書きます。モバイルバッテリーは、医療機器に接続してよいという意味ではありません。医療機器の電源として使える機器は、メーカーが適合を確認したものだけにします。
停電対策の中心は、たくさんの機器を自己流で買い足すことではありません。本人の処方と機種に合わせて、連絡先、切替手順、予備の持続時間、避難判断を主治医・供給業者と共有することです。見直した日を連絡表へ書き、機種変更や処方変更のたびに更新しましょう。
参考・確認先
以下は2026年9月7日に本文を確認しました。
- 厚生労働省「在宅酸素療法における火気の取扱いについて」(更新:2026年7月7日)
- 日本呼吸器学会「災害関連情報」(現行索引から停電時Q6への案内を確認。Q6自体は旧パスで更新日表示なし)
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