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注文も契約もしていないのに、事業者が代金を得るため一方的に商品を送り付けてきた場合、代金を支払う必要はありません。対象の商品は直ちに処分でき、開封したことを理由に支払義務が生じることもありません。
ただし、「家族が注文した」「知人から贈られた」「別の人宛ての荷物だった」という場合もあります。身に覚えがない荷物を、すべて送り付け商法と決めて処分するのは避けます。
いま支払いを求められているなら、その場で判断を急がず、宛名と注文の有無を確認するところからです。
荷物を前にして、先に確かめること
本人が「頼んでいない」と話したら、それを出発点にして、送り状と手元の記録を一緒に見ます。親の記憶だけを問い詰めても、契約があったかどうかの証拠は増えません。
家族が手伝うなら、次の順で確認すると行き違いを減らせます。
- 宛名と住所が本人のものかを見る。違っていたら、処分せず配送会社へ連絡する。
- 同居家族や離れて暮らす家族が注文したり、贈り物を手配したりしていないか聞く。
- 注文履歴、注文確認メール、過去の契約書や明細に、届いた商品と一致するものがあるか調べる。
- 電話勧誘で購入に同意したことがあるか、分かる範囲で確認する。
- 判断がつかなければ、送り状や請求書を手元に置いて消費生活センターへ相談する。
国民生活センターの「見守り新鮮情報」第409号も、贈答品の可能性や、注文を忘れていないかを家族などに確認するよう案内しています。
電話で購入に同意していた場合は、契約のない商品の送り付けとは扱いが変わります。取り消したいときは、届いた書面や注文状況をそろえて相談します。「覚えていないから契約はない」と決めるより、記録を確認するほうが解決へ進めます。
離れて住む家族は、本人に荷物の全体、送り状、同封書類を撮ってもらう方法があります。宛名や住所が写る写真を不特定の人が見る場所へ出す必要はありません。相談に使う範囲で共有します。
「開けたから払って」は、契約の有無に戻って考える
消費者庁の「売買契約に基づかないで送付された商品に関するQ&A」は、金銭を得る目的で、契約なく一方的に送られた商品について、開封や処分で支払義務が生じないと示しています。
箱を開けてしまった。請求書が中に入っていた。相手から「受け取った以上は払って」と言われた。それだけで売買契約が成立する扱いではありません。
「御注文いただいた商品です」と事業者が説明した場合も、実際に売買契約が成立していなければ支払いは不要です。相手の言い方と、本人が注文した事実を分けて確認します。
一方で、このルールは商品の安全性を保証するものではありません。出所や内容が分からない食品、健康食品などを、支払いが不要という理由だけで口にするのは避けたほうがよいでしょう。支払義務の判断と、安全に使えるかの判断は別々に行います。
また、他人宛ての誤配や贈り物まで自由に処分できる、という話ではありません。宛先や送り主の確認が先です。
14日間、保管し続ける必要はある?
過去の案内を覚えている人は、14日間置いておくべきか迷うかもしれません。消費者庁のQ&Aでは、改正前のルールと、令和3年の改正後のルールを分けて説明しています。
現在、注文や契約をしておらず、事業者が金銭を得ようとして一方的に送った商品は直ちに処分できます。14日間の保管を、今の一律の義務として扱う必要はありません。
ただし、すぐ処分できることと、すぐ処分することが自分の相談に役立つかは別です。契約の有無が分からない、すでに代金を払った、請求が続いている場合は、相談に使う送り状や同封書類は、先に記録を残しておくと役立ちます。
写真やメモを残す提案は、法定の保管義務を追加するものではありません。「誰が、何を、いつ送ったか」を後から説明するための記録です。
すでに代金を払ったときは、支払いの記録をそろえる
払ってしまったから終わり、と諦める必要はありません。消費者庁は、支払義務があると誤解して代金を払った場合、事業者にその金銭の返還を請求できると案内しています。
返還を求められることと、実際にお金が戻ることは同じではありません。支払い方法は何だったか。相手と連絡は取れるか。その状況を消費生活センターへ伝えます。
相談前に、分かる範囲で次を集めます。
- 荷物が届いた日、送り状の発送元、商品名
- 同封された請求書や振込用紙
- 支払った日、金額、支払い方法が分かる領収書や明細
- 代金を払うよう求められた電話、メール、メッセージの記録
- 注文した覚えがなく、家族にも確認した経過
資料が全部そろうまで待つ必要はありません。
分からない項目があっても、いま残っているものから相談を始められます。電話の内容を後から記憶だけで再現するより、日時と相手の説明を短く書いておくほうが伝えやすくなります。
相手が代金以外の費用も求めてきた場合は、請求書の名前だけで判断せず、その内容を相談先へ見せます。海外から届いた場合も、国内に住む消費者へ契約なく金銭を得る目的で送り付けた商品には、消費者庁が示す規定が適用されます。
久留米では、荷物と書面を手元に置いて電話する
久留米市消費生活センターの消費生活相談は、0942-30-7700です。市の「消費生活センターの事業案内」では、相談を無料で受け、まず電話で相談するよう案内しています。
業務時間は8時30分から17時。9時30分までは電話相談のみで、来所受付は16時30分までです。土曜日、日曜日(第2日曜日を除く)、祝日、月の末日、年末年始は休みとされています。訪問前は現行の案内を確認すると確実です。
全国共通の消費者ホットライン「188」も、身近な消費生活センター等を案内します。
連絡時は、商品説明を最初から全部読み上げるより、「本人は注文していないと言っている」「支払い済みか未払いか」「家族の注文は確認できたか」を先に伝える方法があります。相談員が判断に必要な点を聞けるよう、送り状と請求書を近くに置きます。
荷物に加えて電話で送金を求められているなら、高齢の親に不審電話が来たときの家族の対応も確認できます。送り付けの商品代金の問題と、電話による送金要求の両方を相談先に伝えます。
家族で決めておきたいのは、身に覚えのない支払いを一人で即決しないための連絡先です。「頼んだか分からない荷物が来た」と言われたら、叱る前に送り状を一緒に見る。契約の確認と、払ってしまったお金への対応は、そこから始まります。
参照した資料
- 消費者庁「売買契約に基づかないで送付された商品に関するQ&A」(2026年10月9日確認):特定商取引法ガイド
- 国民生活センター「一方的に送りつけられた商品の代金は支払い不要!」、見守り新鮮情報第409号、2021年11月16日発行(2026年10月9日確認):2021年度縮刷版
- 久留米市「消費生活センターの事業案内」(2026年10月9日確認):相談先・利用案内
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