この記事の目次
  1. 約320点は、10年間で育ったコレクション
  2. 学芸員の「推し」から入れば、美術史を知らなくてもいい
  3. 「ともに見る・語る」は何を変えるのか
  4. 作品を見たあと、もう一度入口へ戻る
  5. 会期は約2か月半、年末年始をまたぐ
  6. 前の展覧会から12日後に始まる

久留米市美術館が開館して10年。2016年から集めてきた作品は、約320点になりました。

そのコレクションを使った展覧会「コレクションing コレクションをともに見る・語る」が、2026年10月24日から2027年1月11日まで開かれます。学芸員が選ぶ「推し作品」を入口に、来館者の作家や作品への思いも取り込む参加型の企画です。

約320点は、今回の展示点数ではありません。美術館が開館以来に収集した作品の総数です。ここを取り違えると、展覧会の規模も見どころも変わってしまいます。

約320点は、10年間で育ったコレクション

久留米市美術館の公式展覧会ページ(2026年8月29日確認)によると、収集した約320点のほとんどは九州の洋画家による作品です。美術館は、それが現在のコレクションの特徴になっていると説明しています。

有名作品を各地から借りて並べる展覧会とは、出発点が違います。久留米市美術館が「何を残してきたか」を見る企画です。収集の歩みが主役です。

タイトルの「ing」には、収集が現在も進んでいるという意味が込められています。完成した棚を振り返るのではなく、これから何を集め、どう見せるのか。その途中を来館者と共有する展覧会と考えると、題名がぐっと分かりやすくなります。

学芸員の「推し」から入れば、美術史を知らなくてもいい

今回展示されるのは、学芸員が選んだ推し作品です。展示作品の顔ぶれと点数は、まだ発表されていません。

入口は「学芸員の推し」です。年代や知名度だけでなく、学芸員が選んだ一作からコレクション全体へ入っていけます。

美術館に慣れていない人は、全部を理解しようとしなくて構いません。まず一枚だけ、足が止まった作品を選ぶ。色、人物、場所、題名のうち、何に目が向いたかを言葉にすると、自分なりの鑑賞が始まります。

知識は、後からでいい。

「ともに見る・語る」は何を変えるのか

公式ページが掲げるのは、来館者の作家・作品への思いを共有しながら、ともに作り上げる参加型展覧会です。

同じ絵を見ても、久留米で暮らしてきた人、九州の洋画を初めて見る人、子どもでは目に留まるものが違います。その違いも、展示を形づくる一部です。

公式ページは「来館者の作家・作品への思いを共有しながら、ともに作り上げる参加型展覧会」と案内しています。参加方法はまだ発表されていないため、詳細が出るまでは内容を決めつけられません。

作品を見たあと、もう一度入口へ戻る

参加型の展覧会では、鑑賞の順番も一つではありません。最初に気になった作品を一つ選び、会場を巡ったあとでもう一度戻る。ほかの作品や言葉に触れた後では、最初の印象が変わるかもしれません。

家族で訪れるなら、「いちばん好きな絵」よりも「気になったところ」を一つずつ話す方が会話は広がります。答え合わせは不要です。

一人なら、作品名を覚えるより、足が止まった理由を短く残してみる。帰宅後にその作家を調べる手掛かりになります。

会期は約2か月半、年末年始をまたぐ

会期は2026年10月24日(土)から2027年1月11日(月・祝)までです。通常の開館時間は10時から17時、入館は16時30分まで。久留米市美術館の「2026年度 展覧会のご案内」(2026年8月29日確認)に掲載されています。

通常は月曜休館ですが、祝日・振替休日は開館します。会期中には年末年始も含まれるため、出かける日は開館カレンダーで確認してください。

観覧料、会期中の詳しい休館日、関連イベントは未発表です。出かける前に、展覧会の詳細ページで確定内容を確認してください。

前の展覧会から12日後に始まる

同館では、開館10周年展「ちくごist 河北秀也 デザインの旅」が2026年10月12日まで開催されています。「コレクションing」の開幕は10月24日。二つの展覧会の間には、展示替えの期間があります。

現在の展覧会については、関連記事「久留米市美術館『河北秀也 デザインの旅』」で料金や見どころを紹介しています。同じ美術館でも、借りた作品や作家を深く見る企画と、自館の収集を来館者と考える企画では、楽しみ方が異なります。

「コレクションing」の最新情報は、久留米市美術館の「展覧会」で確認できます。まず覚えておきたいのは、約320点すべてを一度に見る展覧会ではないこと。その中から何を選び、どんな言葉が交わされるのかが、今回の見どころです。

アイキャッチ画像:久留米公式観光サイト フォトギャラリー「石橋文化センター」より。写真提供:公益財団法人 久留米観光コンベンション国際交流協会。