この記事の目次
  1. 認知症ならすぐ成年後見、ではない
  2. 久留米市で最初に相談する窓口
    1. 久留米市成年後見センター
    2. 地域包括支援センターやケアマネジャー
  3. 法定後見・任意後見・日常生活自立支援事業の違い
  4. 成年後見人ができること・一般に職務ではないこと
  5. 申立て前に知っておきたいこと
    1. 候補者がそのまま選ばれるとは限らない
    2. 費用・期間・結果を一律に断定できない
    3. 2026年公布の改正法はまだ施行前
  6. 相談前に準備する情報
  7. 相談から申立てを検討する流れ
  8. よくある質問
    1. 認知症と診断されたら成年後見の申立てが必要ですか
    2. 子どもが成年後見人になれますか
    3. 成年後見人になれば親の預金を自由に使えますか
    4. 施設入居の契約だけ終われば成年後見をやめられますか
    5. 日常生活自立支援事業と成年後見はどちらを選べばよいですか
  9. まとめ
  10. 成年後見と介護は窓口を分けて相談する

結論からいうと、認知症の診断を受けたからといって、直ちに成年後見制度を申し立てると決まるわけではありません。まず確認するのは、親御さんが「何を自分で判断でき、どの手続きで困っているか」です。

預金の払い戻し、介護サービスや施設の契約、相続などで具体的な支障があるときは、家族だけで制度を決めず、久留米市成年後見センターへ相談しましょう。

成年後見は本人の権利と財産を守るための法的な仕組みです。一方、日常的なお金の出し入れや福祉サービス利用の手伝いには、久留米市社会福祉協議会の日常生活自立支援事業が合う場合もあります。本人の意思を確かめ、必要な支援の範囲を整理することが最初の一歩です。

認知症ならすぐ成年後見、ではない

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が十分でない方を法律面から支える制度です。しかし、診断名や要介護度だけで利用の要否や「後見・保佐・補助」の区分が自動的に決まるものではありません。

家族が困っている場面を具体的に分けると、必要な相談先が見えやすくなります。

  • 通帳を何度もなくし、公共料金の支払いが滞っている
  • 本人名義の預金を生活費や施設費に充てたいが、金融機関で手続きできない
  • 介護サービスや入居契約の内容を一人で理解することが難しい
  • 不要な契約を繰り返し、消費者被害が心配
  • 相続や不動産の手続きに本人の関与が必要

単に家族が通帳を預かりたいという理由だけで、本人の意思を確認せず制度利用へ進むのは適切ではありません。本人が理解しやすい言葉、書面、時間帯を選び、「どこで暮らしたいか」「何にお金を使いたいか」「誰に支援してほしいか」を確認します。

久留米市で最初に相談する窓口

久留米市成年後見センター

久留米市成年後見センターは、成年後見制度に関する総合相談と利用支援を行う市の窓口です。社会福祉士が相談を受け、関係機関の紹介や申立書類作成の助言を行います。

確認項目内容
所在地久留米市長門石1丁目1番34号 久留米市総合福祉センター
相談方法窓口または電話
受付月曜日から金曜日の8時30分〜17時15分(祝日・年末年始を除く)
利用料無料
電話0942-30-2732

ここは申立てを決定する場所ではなく、困りごとと制度の必要性を整理する入口です。法的判断や代理交渉が必要な場合は専門機関へ相談します。

地域包括支援センターやケアマネジャー

親御さんの介護、暮らし、受診、金銭管理が複雑に絡んでいるときは、地域包括支援センターや担当ケアマネジャーにも共有します。日頃の生活を知る支援者は、本人の様子や困りごとを整理し、申立てで使う「本人情報シート」の作成に関わる場合があります。

相談先を迷う方は「久留米で親の介護相談はどこにする?」も参考にしてください。

法定後見・任意後見・日常生活自立支援事業の違い

2026年7月31日時点の現行制度では、すでに判断能力が不十分な方を対象とする法定後見は、本人の状態に応じて後見・保佐・補助に分かれます。家庭裁判所が区分と支援内容、成年後見人等を判断します。

選択肢主な対象・時期主な支援決める人・契約先
法定後見「後見」判断能力が欠けているのが通常の状態財産に関する法律行為の代理、日常生活に関する行為を除く法律行為の取消しなど家庭裁判所が審判し、成年後見人を選任
法定後見「保佐」判断能力が著しく不十分重要な財産行為への同意・取消し、審判で定めた行為の代理など家庭裁判所が審判し、保佐人を選任
法定後見「補助」判断能力が不十分審判で定めた特定の行為への同意・取消し・代理家庭裁判所が審判し、補助人を選任
任意後見本人に十分な判断能力があるうちに将来へ備える将来、契約で決めた事務を任意後見人が行う本人が公正証書で契約。判断能力低下後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると効力が生じる
日常生活自立支援事業判断能力が十分でなく、福祉サービス利用や日常的な金銭管理に不安がある福祉サービス利用援助、生活費等の日常的な金銭管理久留米市社会福祉協議会へ相談し、利用可否や契約内容を確認

日常生活自立支援事業は成年後見人と同じ代理権を持ちません。法律行為への支援が必要か、日常的な金銭管理で足りるかを分けて相談します。

任意後見は、本人の判断能力が十分なうちに契約する制度です。すでに契約内容を理解して決めることが難しい場合に、家族だけで任意後見契約を結ぶことはできません。

成年後見人ができること・一般に職務ではないこと

成年後見人等は、本人の預貯金や不動産を管理し、必要な介護・福祉サービス等の利用契約や費用の支払いを行います。事務の内容は、後見・保佐・補助の区分や家庭裁判所の審判によって異なります。

成年後見人等が担うこと一般に成年後見人等の職務ではないこと
本人の利益を考えた財産管理食事、入浴、排泄などの直接的な介護
権限の範囲内での契約・支払い家族の希望だけを優先した財産の使用
本人の生活・医療・介護に必要な契約の検討医療行為そのものや介護サービスの提供
家庭裁判所への報告本人の財産を家族のために自由に使うこと

制度は家族が親のお金を自由に動かすための手続きではありません。成年後見人等は本人の意思と生活状況に配慮し、本人のために事務を行います。

申立て前に知っておきたいこと

候補者がそのまま選ばれるとは限らない

家族を候補者として申立書に書いても、その人が必ず選任されるわけではありません。家庭裁判所は本人の財産、必要な支援、候補者との関係などを確認し、親族、弁護士、司法書士、社会福祉士などから適任者を選びます。複数の後見人等や監督人が選任される場合もあります。

費用・期間・結果を一律に断定できない

申立手数料、登記手数料、郵便料、診断書等の取得費用があり、鑑定時には鑑定費用も生じます。後見人等への報酬の有無と金額は家庭裁判所が判断し、本人の財産から支払われます。

審理期間は確認事項により異なります。預金の払い戻しや施設契約に期限がある場合は、相談時に日付を伝えてください。

2026年公布の改正法はまだ施行前

成年後見制度を見直す「民法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第45号)と整備法(令和8年法律第46号)は、2026年6月17日に成立し、同年6月24日に公布されました。

法務省は、成年後見制度の見直しに係る改正について、公布日から2年6か月を超えない範囲内で政令で定める日に施行すると案内しています。

したがって、2026年7月31日時点では改正後の制度はまだ施行されていません。本記事は現在適用されている後見・保佐・補助の制度を説明しています。申し立てる際は、久留米市成年後見センターと福岡家庭裁判所の最新案内を確認してください。

相談前に準備する情報

書類をすべて集めてからでなくても相談できます。まず分かる範囲で、次の情報を一枚にまとめると話が進みやすくなります。

確認内容
本人の氏名、生年月日、住所、現在の居場所
認知症等の診断名、受診先、主治医、診断時期
本人が自分でできることと、支援が必要なこと
預金、年金、不動産、借入れなど分かる範囲の財産・負債
毎月の収入と、生活費・医療費・介護費などの支出
困っている契約や手続き、その期限
配偶者、子、きょうだいなどの親族関係
本人が希望する暮らし、支援者、財産の使い方
介護保険の認定、ケアマネジャー、利用中のサービス
通帳、契約書、請求書、診療情報など相談に関係する資料

原本は紛失しないよう管理し、相談先へ何を持参するか事前に確認します。家族の推測と本人が実際に話した希望は分けてメモしてください。

相談から申立てを検討する流れ

  1. 本人の困りごとと意思を整理する
  2. 久留米市成年後見センターへ電話または窓口で相談する
  3. 日常生活自立支援事業など、成年後見以外の支援も比較する
  4. 法定後見が必要と考えられる場合は、申立先と必要書類を確認する
  5. 医師の診断書、本人情報シート、財産・収支資料等を準備する
  6. 本人が実際に生活している住所を管轄する家庭裁判所へ申し立てる
  7. 家庭裁判所の調査・審理を経て、区分と成年後見人等の判断を受ける

本人が実際に久留米市内で生活している場合、申立先は福岡家庭裁判所久留米支部です。ただし、管轄は住民票だけではなく本人が実際に生活する場所で判断されるため、施設や病院が市外の場合は申立先を確認してください。

久留米支部の後見係・財産管理係は、電話0942-38-6141で後見・保佐・補助の申立てに関する問い合わせを受け付けています。

よくある質問

認知症と診断されたら成年後見の申立てが必要ですか

診断だけで直ちに申立てが必要と決まるわけではありません。本人の判断能力と、預金管理や契約で生じている具体的な支障を整理し、成年後見センターへ相談してください。

子どもが成年後見人になれますか

親族が選任される場合はありますが、申立書に候補者として記載しても必ず選ばれるとは限りません。家庭裁判所が本人の利益と個別事情を踏まえて判断します。

成年後見人になれば親の預金を自由に使えますか

使えません。財産は本人の生活、医療、介護など本人のために管理します。家族の生活費や贈与に自由に使える制度ではなく、家庭裁判所等の監督も受けます。

施設入居の契約だけ終われば成年後見をやめられますか

2026年7月31日時点の現行制度では、申立てのきっかけとなった手続きが終わっても、それだけで後見等が終了するわけではありません。申立て後の取下げにも家庭裁判所の許可が必要です。申立て前に継続的な影響を確認してください。

日常生活自立支援事業と成年後見はどちらを選べばよいですか

日常的な金銭管理や福祉サービス利用の支援で足りるか、契約・相続・不動産などの法律行為への支援が必要かで検討の入口が異なります。本人の状態と困りごとを成年後見センターや久留米市社会福祉協議会へ伝え、利用条件と支援範囲を確認してください。

まとめ

久留米で成年後見を相談するときは、認知症という診断名だけで制度利用を決めず、本人が判断できること、困っている契約、財産管理の状況、本人の希望を整理します。最初の相談先は久留米市成年後見センターです。

法定後見、任意後見、日常生活自立支援事業では、利用する時期、支援内容、手続きが異なります。本人の意思を中心に置き、必要な範囲の支援を比較してから申立てへ進みましょう。

成年後見と介護は窓口を分けて相談する

成年後見制度の要否、申立て、法律上の判断は、久留米市成年後見センター、家庭裁判所、案内された専門職へ相談してください。介護サービスや生活上の支援も見直す場合は、担当のケアマネジャーまたは地域包括支援センターへ本人の状態と困っている手続きを伝えます。

本記事は2026年7月31日に、久留米市、裁判所、法務省、厚生労働省、久留米市社会福祉協議会の公開情報を確認して作成しました。

参考情報

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