この記事の目次
  1. 見積りを読む5つの順番
  2. 借主負担になり得る傷も、原因を分ける
  3. 経過年数には例外がある
  4. ガイドラインと契約書を一緒に見る
  5. 公式情報・確認先

退去時の原状回復は、借りた日の新品の状態へ戻すことではありません。国土交通省のガイドラインは、借主の故意・過失、通常の使用を超える使用などによる損傷を復旧することと整理しています。通常の使用で生じる損耗や経年変化の修繕費は、原則として賃料に含まれるという考え方です。

ただし「古い部屋なら借主負担はゼロ」とも言えません。請求を受けたら、傷の原因から補修範囲まで順番に確かめると、何を質問すべきか見えます。

見積りを読む5つの順番

順番見る点質問の例
1傷や汚れの原因通常の使用か、不注意などで生じたか
2手入れや放置の有無清掃不足や結露の放置で広がったか
3経過年数対象の建物・設備で年数を考慮するか
4補修範囲傷の部分か、必要な施工単位か
5契約・特約入居時にどの負担を合意していたか

国土交通省は、日照によるクロスの変色、下地ボードの張替えが不要な程度の画鋲・ピン穴、テレビや冷蔵庫の後部壁面の電気ヤケを、通常損耗・経年変化の例に挙げています。これと、不注意で壁紙に付けた傷を同じ「壁の汚れ」として扱うと判断を誤ります。

借主負担になり得る傷も、原因を分ける

不注意で付けたクロスの傷や、通常の清掃を怠ったため特別な清掃が必要になったカビ、飲み物や結露を放置して生じたシミは、借主負担になり得る例です。一方、カビがあれば必ず借主負担という意味ではありません。いつ発生し、どのように使用・手入れしていたかを、立会い記録や写真と照らすことが必要です。

入居時と退去時に双方で部屋の状態を確認し、チェックリストや写真を残す方法がガイドラインのQ&Aで勧められています。退去時に見つかった損傷でも、入居前からあった可能性を記録で確かめられます。写真がある場合は撮影時期も一緒に整理してください。

経過年数には例外がある

借主に負担が生じる損傷でも、原則として建物や設備の経過年数を考慮し、年数が長いほど負担割合を減らす考え方が示されています。ただし、フローリングの部分補修、畳表・襖紙・障子紙、鍵の紛失、クリーニングは、ガイドライン上、経過年数を考慮しない例外です。「入居から何年もたったから、どんな請求も減る」とは言えません。

補修は、可能な限り損傷部分に限定し、最低限の施工単位を基本とします。クロスの傷なら平方メートル単位が望ましい一方、やむを得ない場合は傷を含む一面分が借主負担となり得ます。傷が一箇所なのに部屋全体の張替え費用が並んでいるなら、その範囲を選んだ理由を聞く材料になります。

ガイドラインと契約書を一緒に見る

国のガイドラインは裁判例・実務を踏まえた一般的な基準で、法的拘束力はありません。有効な特約がある場合や物件の使用状況など、個々の契約で判断が変わります。見積書には、損傷箇所、作業範囲、経過年数の扱い、特約の根拠を対応させて確認しましょう。結論が対立する場合は、契約書と記録を持って相談窓口や専門家へ相談してください。

公式情報・確認先

アースサポート株式会社の相談窓口

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