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糖尿病治療中の親が急にぼんやりし、呼びかけへの反応がはっきりしないときは、家族が低血糖かどうかを診断してから動こうとしないでください。意識が不明瞭で飲み込みが難しそうなら、飲み物や食べ物、ブドウ糖を口から飲み込ませず、直ちに119番で救急車を呼びます。
国立健康危機管理研究機構の糖尿病情報センターは、意識がはっきりせず嚥下が難しい人へ無理にブドウ糖を飲ませると、誤嚥や窒息の原因になると案内しています。家庭で血糖を測るよう主治医から指示されている人も、測定の準備や結果待ちで救急要請を遅らせないことが大切です。
意識がはっきりしないときは飲食させず119番
名前を呼んでも普段どおり答えない、受け答えがかみ合わない、座っていられない、飲み込めるか判断できない状態では、口から何かを与えません。眠っているだけと考えて一人にせず、119番へ住所、糖尿病の治療中であること、反応や呼吸の様子を伝えます。
電話の指令員から案内を受けながら、普段どおりの呼吸があるか確認します。嘔吐した場合は、のどへ詰まらせないよう指令員の指示に従います。自己判断でインスリンを追加したり、いつもの薬を飲ませたりしないでください。
低血糖以外にも、脳卒中、感染症、薬の影響などで意識が変わることがあります。「糖尿病だから低血糖」と決めつけず、救急隊へ見た事実を伝えます。
測定は主治医の指示に従い、救急を遅らせない
主治医から家庭での血糖測定を指示されている場合は、教わった方法に従います。ただし、意識が不明瞭な人を前に機器を探す、測り直す、数値が出るまで待つことで119番通報を遅らせないでください。
救急隊へ伝えられる範囲で、次を準備します。
- 普段と違う様子に気づいた時刻
- 最後に普通に会話できた時刻
- 糖尿病の薬・インスリンの名前と最後に使った時刻
- 最後の食事の時刻と、おおよその内容
- 主治医から指示された測定結果がすでにある場合は、その時刻と値
- 発熱、嘔吐、転倒、けいれんなど一緒に起きた変化
数値が分からなくても、通報をためらう理由にはなりません。お薬手帳と、受診時に必要なものを取り出しやすい場所へまとめ、救急隊へ渡します。
意識があるときの対応は本人別に決めておく
本人がはっきり会話でき、自分で安全に飲み込めるときの補食内容や量、再測定の時刻は、治療内容によって異なります。一般的な数字を家庭で当てはめず、主治医や糖尿病療養指導に関わる医療職から書面で指示を受けておきましょう。
「この症状なら何を、どのくらい取るか」「改善しない場合は何分後にどこへ連絡するか」「食事を取れない日は薬をどうするか」を平時に確認します。薬やインスリンを家族の判断で減らす、中止する、追加することは避けてください。
グルカゴンは事前の指導を受けて準備する
糖尿病情報センターは、家族が使えるグルカゴン製剤について案内しています。ただし、誰にでも同じように使うものではありません。本人に適応があるか、保管場所、使い方、使った後の救急要請を含め、事前に医療機関から指導を受ける必要があります。
処方を受けたら、平時に本人と家族で説明を受け、使い方を練習し、使用期限と保管状態を定期的に確認します。意識が不明瞭なときに口から何かを与えるかどうかも、誤嚥を避けるため、本人ごとの医療指示を事前に確かめておきます。
IDカードと連絡メモを持ち歩く
糖尿病情報センターは糖尿病患者用IDカードを紹介しています。外出時に本人が説明できない場合に備え、治療中であること、緊急連絡先、主治医・医療機関が分かる形にしておきます。カードへ書く内容や個人情報の持ち方は本人と相談してください。
冷蔵庫や玄関には、「意識がはっきりしないときは飲食させず119番」「測定で通報を遅らせない」「薬を自己判断で変更しない」と短く書いた家族用メモを置きます。救急時に家族が診断を完成させる必要はありません。安全に飲み込めない状態を見逃さず、早く助けを求めるための準備をしておきましょう。
参考・確認先
以下は2026年9月7日に公開本文を確認しました。
- 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「低血糖」(最終改訂:2021年12月1日。現在公開されている一般向け資料として参照)
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