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施設から見積書を受け取ったものの、食費、介護サービス費、日用品費が別々に並び、これで全部なのか分からない。在宅介護でも、毎月の請求先が複数になると家計の見通しを失いがちです。
介護費用に一つの平均額を当てはめても、自分の家計は見えてきません。毎月の支払い、利用開始時の出費、介護保険外の購入額へ仕分けると、問い合わせ先が定まります。
要介護度、所得、住まい、家族が担える範囲で金額は変わります。まず分類。その後に見積もりです。
介護費用は三つの箱に分ける
同じ「介護のための支出」でも、介護保険が使えるものと使えないものがあります。一度限りの出費か、毎月続く請求かという違いもあります。
次の表は、家計簿へ写すための索引です。個別の対象可否は、市、ケアマネジャー、入居先へ照会してください。
| いつ払うか | 何に払うか | 介護保険との関係 | 負担を軽くする仕組み・相談先 |
|---|---|---|---|
| 毎月 | 介護サービスの利用者負担 | 支給限度額内は原則1割。所得により2割または3割 | 負担割合証、高額介護サービス費 |
| 毎月 | 食費、居住費・家賃、管理費 | 原則として介護保険のサービス費とは別 | 施設利用では負担限度額認定の対象になる場合がある |
| 毎月 | 医療費、薬代 | 医療保険の対象と自己負担がある | 高額療養費、高額医療・高額介護合算、医療費控除 |
| 毎月 | 介護保険料 | 65歳以上は所得や世帯の課税状況などで段階が決まる | 保険料通知書について久留米市へ照会 |
| 利用開始時 | 福祉用具の購入 | 特定福祉用具販売の対象なら年度上限内で給付 | 購入前にケアマネジャーか福祉用具専門相談員へ相談 |
| 工事時 | 手すり、段差解消などの住宅改修 | 対象工事は住宅改修費の給付。事前申請が必要 | 見積もり前にケアマネジャーと久留米市へ相談 |
| 入居時 | 入居一時金、敷金、引越し、家具など | 入居契約や住まいの料金。介護保険外 | 契約書と返還条件を契約先へ照会 |
| 必要な都度 | 配食、家事代行、通院付き添い、理美容、おむつ、日用品など | 介護保険外となる範囲がある | 市の独自支援、民間事業者、入居先の実費表を点検 |
介護保険の負担割合は、久留米市の介護保険負担割合証から読み取れます。請求書を開く前に、割合証の有効期間も照合してください。
毎月かかる費用は請求先ごとに並べる
在宅の主な請求は、訪問介護、通所介護、福祉用具貸与などの利用者負担です。そこへ診療代、配食、紙おむつ、交通費が重なります。
請求日は事業所ごとに違うことがあります。月の総額を知るには、領収書を「介護」「医療」「生活」の三列へ仕分けるのが近道です。
介護保険料は、利用料とは別です。65歳以上なら久留米市から届く納付通知書を取り出し、入居先の請求額とは別枠で家計表へ写します。
入居先では、介護給付の利用者負担に加え、居室料または家賃、食費、管理費、日用品代などが発生します。請求項目は住まいの種類と契約内容によって異なります。
診療代、薬代、理美容、個別の行事参加料などが別請求になる場合もあります。「月額」という一行だけでは比べられません。
在宅の請求書を一か月分だけ集めた
ここからは、説明のために条件を置いて考えます。要介護の親が訪問介護と通所介護を利用し、福祉用具も借りているとします。家族は通帳の引落しだけを追っていました。ところが、薬局で払った薬代、紙おむつ、通院時の交通費は別払いです。介護に充てた総額をつかめません。そこで一か月分の領収書を集めました。
介護保険の利用者負担、医療、生活費の三列へ振り分け、利用回数も横に記入しました。翌月から抑えられる出費と、状態維持に欠かせない支払いが見えてきます。この場面は仮定です。給付対象は久留米市が最終判断し、支援量はケアマネジャーと本人・家族で見直します。
利用開始時にまとまって出る費用がある
介護ベッドや車椅子は貸与が中心ですが、入浴や排泄で使う特定福祉用具には購入費の給付があります。一般の店で先に買うと、支給条件を満たせない場合があります。
住宅改修は、工事前の申請が原則です。手すりを付けてから領収書を出せばよい、という手続きではありません。
高齢者向けの住まいには、入居一時金を設ける所と、設けない所があります。敷金、引越し、寝具、衣類、家具の準備も契約外の出費です。
一時金がある場合は、償却方法と退去時の返還条件を契約書で読み取ります。月額が低く見えても、初期負担を含めた比較が必要です。
介護保険の福祉用具購入費、住宅改修費、住まいの入居費は別々の扱いです。一つの上限へ合算しません。
施設二か所の見積書で項目名が違った
仮に、家族が二つの入居候補から見積書を受け取ったとします。一方は食費と管理費を月額欄にまとめ、もう一方は基本料金と実費を切り離していました。見た目の合計だけでは、紙おむつ、診療代、洗濯、理美容が含まれるか分かりません。家族は項目名をそろえた比較表を作ります。
月額、一時金、退去時の精算、状態変化で追加される料金を担当者へ尋ねました。ここでは、説明のために条件を置いています。介護保険給付や負担軽減の適用は久留米市が最終判断します。入居料金と条件は、各候補先の正式な見積書・契約書との照合が必要です。
保険外費用は「誰が、何をするか」で変わる
介護保険は、本人の日常生活を支えるために必要な援助を給付します。家族全員分の家事や、本人の希望だけで行う外出などは、保険外となる場合もあります。境目は一律ではありません。
配食、家事代行、通院付き添い、庭仕事などを民間事業者へ頼む場合は、基本料金だけでなく交通費、時間延長、キャンセル料にも目を通します。総額を左右する項目です。
入居先では、日用品、紙おむつ、理美容、個別の外出、レクリエーション材料などを実費で請求する場合があります。任意の支出と、生活上欠かせない品を区分してください。
家族が無償で担っている送迎や洗濯にも、時間と交通費がかかっています。家計表には出なくても、仕事を休む負担まで含めた検討が必要です。
保険外の手助けを減らしすぎて家族が疲弊すれば、在宅生活は続きません。金額だけでなく、誰が代わりに担うかまで決めることが条件です。
支給限度額は介護サービス費の上限
在宅で受ける給付には、要介護状態区分ごとに一か月の支給限度額があります。久留米市の令和8年度パンフレットに載る金額を下表へ写しました。
| 区分 | 1か月の支給限度額 | 1割負担の場合 |
|---|---|---|
| 要支援1・事業対象者 | 50,320円 | 5,032円 |
| 要支援2 | 105,310円 | 10,531円 |
| 要介護1 | 167,650円 | 16,765円 |
| 要介護2 | 197,050円 | 19,705円 |
| 要介護3 | 270,480円 | 27,048円 |
| 要介護4 | 309,380円 | 30,938円 |
| 要介護5 | 362,170円 | 36,217円 |
この表は、毎月必ず支払う額ではありません。実際に利用した給付対象額へ、本人の負担割合を掛けた金額が基本です。
限度額を超えて利用した分は、全額自己負担になります。食費、居住費、日用品、診療代など、初めから限度額に含まれない支出もあります。
利用回数を増やす前に、ケアマネジャーから限度額内の見込みと超過分を出してもらいます。詳しい読み方は、久留米市の介護保険利用限度額にまとめました。
限度額が毎月の請求額だと思っていた
ここでは、説明のために条件を置いて考えます。要介護1の認定を受けた家族が、表の167,650円を毎月支払うのだと思い、訪問介護の利用をためらったとします。ケアマネジャーは、これは介護保険が適用される在宅給付の限度額であり、実際の自己負担は使った内容と負担割合で決まると説明しました。
一方、食費や紙おむつ、診療代は別に見積もります。必要な訪問介護を削る前に、一か月の利用票と実費の明細を並べました。説明のために置いた条件であり、給付対象と負担割合は久留米市が最終判断し、請求額は各事業所の利用実績で確定します。
負担を軽くする制度は対象費用が違う
負担軽減の仕組みは、介護に使った全額を一つにまとめて返すものではありません。どの支払いが対象かを先に見極めます。
高額介護サービス費
一か月の介護保険利用者負担が所得区分ごとの上限を超えた場合、超過分が支給される仕組みです。食費、居住費、福祉用具購入費などは対象外です。
申請と上限の読み方は、久留米市の高額介護サービス費で整理しています。
高額医療・高額介護合算制度
医療保険と介護保険の自己負担を年間で合算し、限度額を超えた分を支給する仕組みです。ここでいう世帯は、同じ医療保険に加入する人の単位で扱われます。
申請先と計算期間は、久留米市の高額医療・高額介護合算制度をご覧ください。
施設の食費・居住費に対する負担限度額認定
介護保険施設や短期入所の食費・居住費を軽減する認定です。市民税非課税世帯、別世帯を含む配偶者の課税状況、預貯金等の要件をすべて満たす必要があります。
有料老人ホームの家賃や食費が一律に軽減されるものではありません。入居先の種別と契約内容が判断材料です。
医療費控除
介護サービスの中には、医療費控除の対象になるものがあります。領収書に介護保険対象額が書かれていても、全額が控除対象とは限りません。
対象となる組合せや領収書の読み方は、介護費用と医療費控除で解説しています。
障害者控除対象者認定
要介護認定を受けただけで、自動的に所得税・市県民税の障害者控除が適用されるわけではありません。久留米市の認定要件と申告方法は別々に調べます。
久留米市独自の支援
在宅の要介護者に対する介護用品支給や、住宅改造費助成などがあります。介護度、所得、世帯状況、事前申請などの条件があり、誰でも使えるわけではありません。
紙おむつ、手すり、住宅改修を同じ申請で扱うこともできません。現在の困りごとを地域包括支援センターかケアマネジャーへ伝え、候補となる支援を絞ります。
自分の場合の費用を出す順番
最初に、現在の負担割合証と要介護認定結果をそろえます。認定前なら、申請と暫定利用の扱いを市へ尋ねます。
手元にあれば、重要事項説明書、料金表、請求明細、薬局の領収書、配食伝票、交通系ICの履歴、駐車券も並べます。該当する書類だけで十分です。
封筒の表には、該当する支払日、引落口座、現金払い、更新月、償却期間、解約手数料、返金予定、家族の立替分をメモします。通帳に載らない買い物も拾えます。保管場所、集計日、記入担当も決めます。封筒に連番を振り、重複計上と紛失を防ぎます。
次に、ケアマネジャーへ一か月の利用案を作ってもらいます。限度額内の自己負担と、超過時の全額自己負担を別欄に置くことが要点です。
高齢者向けの住まいを検討するなら、同じ条件で見積書を依頼します。入居一時金、月額、診療代、日用品、状態変化後の追加料金、退去時精算を一つの表へ移します。
診療、紙おむつ、配食、交通、家族の仕事の休みは、介護保険の請求と別に足します。見えにくい負担がここに残ります。
月ごとの増減は、支払いの性質ごとに追います。同じ様式を複製し、変わった欄だけ理由を一言残す方法です。
| 家計表の欄 | 入れるもの | 突き合わせる資料 |
|---|---|---|
| 固定 | 介護保険料、家賃、管理費 | 納付通知書、入居契約書 |
| 利用回数で変動 | 訪問・通所、配食、送迎 | 利用票、提供票、配食伝票 |
| 受診時のみ | 診察、処方薬、タクシー、駐車 | 医療明細、薬局レシート、交通系IC履歴 |
| 身の回り | 紙おむつ、衣類、理美容、行事参加 | 購入レシート、実費一覧 |
| 家族立替 | 現金購入、別居親族の支払い | 精算日、振込記録 |
封筒には色別ラベルを貼り、原本・写し・未処理を区別します。
請求額と、家計から実際に出た額は同じとは限りません。立替、未払い、返金予定を別欄に置けば、二重計上や精算漏れに気づけます。
最後に、高額介護サービス費、負担限度額認定、市独自の助成など、使えそうな仕組みを久留米市へ照会します。見込み額を差し引くのは、支給決定後です。
全国平均へ自分を合わせる必要はありません。本人の一か月分の利用票、見積書、領収書から積み上げた数字こそ、家族の判断材料です。
参照した一次情報
支給限度額と久留米市の負担軽減制度は、久留米市「高齢者支援パンフレット(令和8年度版)」38~41ページ(https://www.city.kurume.fukuoka.jp/1070kenkou/2030koureikaigo/3030kaigoseido/files/R8koreisyashienpamphlet.pdf.pdf)を2026年8月22日に確認しました。
高額介護サービス費と高額医療・高額介護合算制度の対象、世帯の考え方は、久留米市「高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費」(https://www.city.kurume.fukuoka.jp/1070kenkou/2030koureikaigo/3060kaigoservice/03_08_01.html)を同日に確認しています。
明日やることは一つです。一か月分の請求書と領収書を集め、「介護」「医療」「生活」の三つに分けてください。
介護施設・老人ホームについてご相談ください
親御さんの暮らしや施設選びについて、現在の状況とご希望を伺いながら選択肢を整理します。



