デイサービスの送迎で利用者宅まで迎えに行った後、急に予定が変わった。その場合でも、職員が動き、車を走らせた費用は生じています。私は、こうした突発的なキャンセルを送迎減算の対象から外す方向に賛成です。
厚生労働省は2026年10月14日、介護給付費分科会で見直し案を示しました。2027年度改定に向けた検討で、10月17日現在、実施が決まった制度ではありません。分科会の資料
迎えに向かった仕事を、どう報酬で評価するか
送迎は、利用者を車に乗せる前から始まっています。職員を確保し、車両を用意して、利用者宅へ向かう。結果として家族の送迎になっても、そこまでの仕事と費用は残ります。
今回の資料も、予期できないキャンセルで人件費や燃料費が通常時と同様にかかり、事業所の経営に負担が生じていると指摘しています。私は、その負担に目を向けた案として評価しています。
資料に掲載された調査速報では、送迎減算の理由を尋ねた1,237事業所の58.4%が、利用者・家族都合による突発的な送迎のキャンセルを挙げています。
これは事業所単位の複数回答です。全送迎件数の58.4%がキャンセルされたという意味ではありません。
現行の片道47単位減算と、厚労省の見直し案
| 区分 | 送迎の仕事と報酬の扱い |
|---|---|
| 現行制度 | 送迎費は基本報酬に含む。送迎未実施は片道47単位減算 |
| 厚労省の検討案(2026年10月14日) | 利用者宅まで迎えに行った際の突発的キャンセル等を、例外的に減算対象から外す |
| 私の提案 | 必要な仕事の実施を加算で評価する。基本報酬との関係も整理する |
厚労省の2015年のQ&A・問61は、迎えに行ったものの利用者や家族の都合で、最終的に家族が事業所まで送った場合を扱っています。計画上の位置付けと実際の送迎の有無を確認し、事業所が送迎していなければ減算するという回答です。Q&A・問61
今回の案は、利用者宅まで迎えに行った際に発生するような突発的キャンセルを、例外的に減算の対象から外すものです。通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護が挙げられ、通所リハビリテーションも同様に検討する案になっています。
具体的にどの時点から例外に含めるかは、今後の基準を確かめる必要があります。欠席日の基本報酬を新たに請求できる案としては示されていません。
私は、必要な仕事を加算で評価してほしい
減算の例外が事業所の負担を軽くするなら、意味のある見直しです。さらに私は、減算を緩めるという考え方から一歩進めて、必要な仕事を行ったことを加算で評価する方が健全だと感じています。
担った仕事が、報酬につながる。何に対する費用かが明確であれば、職員の役割を説明しやすく、利用者や家族にも制度の理由を伝えやすくなると考えます。
加算で評価するのは、私自身の提案です。厚労省が示したのは既存の減算を例外的に適用しない案であり、新しい加算の決定ではありません。現行の基本報酬に送迎費が含まれているため、加算を考える際は、その関係も整理する必要があります。
誰が、どこまで、どのような対応をしたか。その仕事に必要な人件費や車両費を、報酬で評価してほしいと思います。
普段の送迎記録で説明できる基準へ
対象となる対応は、現場が判断できる形にしてほしい。出発前に連絡を受けた場合と、利用者宅に着いてから予定が変わった場合では、行った仕事が異なります。
連絡を受けた時刻、迎えに向かった状況、最終的に誰が送迎したか。こうした事実を普段の送迎記録で確認できる基準を望みます。評価のためだけに複雑な説明や重複する記録が必要になれば、現場には別の負担が生まれます。
事業所独自のキャンセル料は、契約上の説明・同意等に関わる取扱いです。今回の案から新しいキャンセル料が自動的に生じるものではありません。利用者・家族への説明も、決まった制度と契約に沿って行う必要があります。
迎えに動いた仕事を評価し、その理由を無理なく説明できる制度へ。事業所の負担を認めることと、利用者・家族の納得を両立できる形で、見直しを進めてほしいと思います。
参照資料
- 厚生労働省:第270回介護給付費分科会資料、資料1・通所介護等。2026年10月14日開催。調査は印刷22頁、課題は30頁、対応案は32頁、現行の単位数は57頁。
- 厚生労働省:平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)、問61。
- 関連報道:介護ニュースJointの元記事。制度の内容は上記の一次資料で確認しています。
情報確認日:2026年10月17日。
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