この記事の目次
10月は保険料・住民税の天引きの切り替えや開始、2026年12月は対象となる公的年金等の所得税精算が、年金振込額の変化に関係します。6月の「年金振込通知書」に載る8月以降の保険料・住民税は、6月と同じ額を記載した予定額です。決定額は市区町村の通知書に載るので、まず両方を並べます。
入金額が変わったとき、自分はどの例を見ればよい?
| 自分の状況 | 見る書類・欄 | 次に読むところ |
|---|---|---|
| 住民税が前年度から年金天引きされている | 年金振込通知書の住民税欄、市の税額決定通知書 | 「継続して天引きされる人」の計算例 |
| 今年度初めて住民税が年金天引きされる | 市の税額決定通知書 | 「初めて天引きされる人」の計算例 |
| 6月の通知書の「控除後振込額」と実際の入金額が違う | 市区町村の決定通知書、変更のお知らせがあれば新しい年金振込通知書 | 下の照合手順 |
| 12月の入金額が10月と違う | 所得税と、ほかの天引きの欄 | 所得税精算の判定表 |
| 住民税が天引きされているのに納付書が届いた | 税額決定通知書と納付書 | 「よくある疑問」 |
振込額が変わると、日本年金機構からその都度お知らせがあります。照合は、予定額・決定額・変更後の振込額を分けて進めます。
- 6月の年金振込通知書で、保険料・住民税の予定額を見ます。
- 市区町村から届いた保険料通知書・税額決定通知書と比べます。決定額はこちらに載っています。
- 振込額の変更で新しい年金振込通知書が届いている場合は、その通知書の該当月の「控除後振込額」と実際の入金額を比べます。天引き額の決め方を尋ねる窓口は、最後の表にまとめました。
振込額は「年金支払額」から天引き額を引いたもの
年金振込通知書では、天引き前の年金と、保険料・税を差し引いた後の額が別々に載っています。口座に入る金額に当たるのは「控除後振込額」です。
| 通知書の項目 | その欄で分かること |
|---|---|
| 年金支払額 | 天引き前の年金額 |
| 介護保険料額 | 年金から引かれる介護保険料 |
| 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税) | 該当する医療保険の保険料・税 |
| 所得税額および復興特別所得税額 | 年金から引かれる所得税など |
| 個人住民税額および森林環境税額 | 年金から引かれる住民税など |
| 控除後振込額 | 差し引き後、口座に振り込まれる額 |
年金支払額が同じでも、天引き額の合計が変われば振込額は変わります。年金支払額も変わっていれば、両方の差を見ます。所得税は、年金支払額から社会保険料や扶養控除などの各種控除額を差し引いた額を基に計算されます。
4・6・8月の保険料は仮徴収、10月からは本徴収
保険料や住民税を年金から差し引く方法を「特別徴収(年金からの天引き)」といいます。継続して天引きされる介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料では、4・6・8月が仮徴収、10・12・翌年2月が本徴収です。
これらの保険料の仮徴収は、基本的に前の2月の本徴収と同じ額です。ただし、6月・8月は市区町村の依頼で額が増える場合も減る場合もあります。
本徴収では、今年度の保険料額から仮徴収額の合計を引きます。その残りを、10月から翌年3月までの年金支払い回数で割って徴収します。住民税の計算や初年度の納め方は、次の久留米市の例で見ていきます。
久留米市の住民税は、継続中か初年度かで納め方が違う
久留米市の公式な計算例を、天引きが続いている人と、今年度初めての人に分けて読みます。以下の数字は住民税の例です。
継続して天引きされる人
久留米市が示す2年目の例は、前年度の年税額72,000円、今年度60,000円です。先に納めた分を今年度の税額から引くと、10月からの額が出ます。
| 見る期間 | 久留米市の例の計算 | 年金から引かれる住民税 |
|---|---|---|
| 4・6・8月の仮徴収 | 前年度72,000円 ÷ 6回 | 各12,000円 |
| 仮徴収で納めた合計 | 12,000円 × 3回 | 36,000円 |
| 今年度の残り | 60,000円 − 36,000円 | 24,000円 |
| 10・12・翌年2月の本徴収 | 24,000円 ÷ 3回 | 各8,000円 |
この例では、住民税が1回12,000円から8,000円に減ります。年金支払額とほかの天引きが同じなら、振込額はその分増える計算です。
初めて天引きされる人
開始年度の例も年税額60,000円ですが、上半期は年金から天引きされません。納め方が次のように分かれます。
| 納める時期 | 久留米市の例の計算 | 1回の額 | 納め方 |
|---|---|---|---|
| 6・8月 | 60,000円 ÷ 4 | 15,000円 | 納付書または口座振替 |
| 10・12・翌年2月 | 60,000円 ÷ 6 | 10,000円 | 年金からの天引き |
この例では10月から住民税の天引きが始まります。年金支払額とほかの天引きが同じなら、入金額はその分減ります。
年金から天引きされるのはどんな人?
対象条件は、保険料と住民税で違います。主な条件を並べると次のとおりです。
| 種類 | 年金からの天引きの主な条件 |
|---|---|
| 介護保険料 | 65歳以上で、老齢・退職・障害・死亡を理由に支給される年金を年18万円以上受け取る人。久留米市の年度途中の例外は「よくある疑問」へ |
| 住民税 | 65歳以上で、老齢・退職年金を年18万円以上受け取る人。久留米市では障害年金・遺族年金から天引きしない |
| 国民健康保険料(税) | 65歳以上75歳未満で、年金を年18万円以上受け取り、介護保険料も天引きされている人 |
| 後期高齢者医療保険料 | 75歳以上などで、年金を年18万円以上受け取り、介護保険料も天引きされている人 |
久留米市は、介護保険料の対象となる年18万円以上を、月額1万5,000円以上と説明しています。医療保険料には、次の条件もあります。
国民健康保険料(税)または後期高齢者医療保険料と、介護保険料を合計します。この額が各支払期の天引き対象となる年金額の2分の1を超える場合、医療保険料(税)は天引きの対象外です。
6月の年金振込通知書と市の通知書はどう違う?
年金振込通知書は、口座振込で年金を受け取る人に毎年6月届き、6月から翌年4月までの各支払い額を知らせます。久留米市の住民税額は毎年6月に決まり、その後、年金を支払う機関へ報告されます。
市は本人宛てに6月中旬頃、税額の通知を郵送します。年金振込通知書と市の税額決定通知書の住民税額が違う場合、正しい税額は市の税額決定通知書にある額です。
また、市の税額通知の仮徴収額と、実際に天引きされた額も一致しない場合があります。久留米市では、年税額が4・6・8月の仮徴収額の合計を下回る場合、8月分の仮徴収を止める扱いです。納めすぎた税額は、後日返金されます(これを還付といいます)。
2026年12月は、支払い時に所得税が精算される
日本年金機構の案内では、2026年12月に対象の公的年金等の支払いがある場合、支払い時に2026年分の所得税が計算し直されるとされています。改正後の基礎的控除額(所得税の天引きを計算するときに差し引く額)で求めた税額と、すでに天引きされた税額を精算する仕組みです。2026年11月の年金支払いまでは改正前の控除額で計算しているためです。
今年初めて扶養親族等申告書が届いた人は、提出が必要かをこちらの記事で整理できます。
基礎控除の引き上げに伴い、65歳以上で所得税の天引き対象とならない公的年金額は、205万円未満から214万円未満に変わりました。この境目だけでは個人の還付額は分かりません。
この精算の対象は、厚生労働大臣が支給する公的年金等や共済組合の年金などです。確定給付企業年金法に基づく年金等は対象外です。対象となる年金について、所得税の天引きと12月の支払いで分けます。
| 状況 | 所得税の精算・還付 |
|---|---|
| 天引きされた所得税がない | 源泉徴収票の「源泉徴収税額」(天引きされた所得税額)が「0」などの場合、確定申告をしても還付される税金はない |
| 天引き済みの所得税があり、2026年12月に対象の公的年金等の支払いがある | 支払い時に2026年分を精算。還付すべき金額が生じれば原則還付 |
| 天引き済みの所得税があり、2026年12月に公的年金等の支払いがない | 12月の支払い時の精算対象外。確定申告書の提出で精算できる |
10月15日と12月15日は、何月分の年金?
年金は原則として偶数月の15日に、前月までの2カ月分が支払われます。2026年の支払日と対象月は、次のとおりです。
| 支払日 | 支払われる年金 |
|---|---|
| 2026年10月15日(木) | 8月・9月分 |
| 2026年12月15日(火) | 10月・11月分 |
どちらも支払日の前倒しはありません。
よくある疑問
年金から住民税が引かれているのに、納付書が届いたのはなぜ?
前年より収入が増えた人は、年金天引きと納付書の両方で住民税を納める場合があります。久留米市は、農業・不動産などの収入や、土地を売った収入、生命保険が満期になって受け取ったお金なども挙げています。
年度途中で65歳になった、または久留米市へ転入したのに、介護保険料が天引きされないのはなぜ?
久留米市では、年度途中に65歳になった場合や他市町村から転入した場合、介護保険料は口座振替または納付書で納めます。年度途中に保険料額が変わった場合も同じ扱いです。
年金から引かれる保険料や住民税の額は、日本年金機構に聞けば分かる?
天引き額は市区町村が決め、日本年金機構はその依頼に基づいて差し引きます。額の決め方を尋ねる窓口は、お住まいの市区町村です。
天引き額はどこに問い合わせる?
| 確かめたいこと | 窓口 | 電話 |
|---|---|---|
| 久留米市の介護保険料 | 健康福祉部介護保険課 保険料チーム | 0942-30-9240 |
| 久留米市の住民税 | 市民文化部市民税課 | 0942-30-9008 |
| 久留米市以外の保険料・住民税 | お住まいの市区町村の担当窓口 | ― |
今日やることは、最新の年金振込通知書で前回と金額が変わった欄に印を付けることです。
公式情報・確認先
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・…を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
- 日本年金機構「年金から特別徴収される…金額はどのようにして決まるのですか。」
- 厚生労働省「介護、国保、後期高齢における保険料(税)の特別徴収について」
- 厚生労働省「保険料(税)の特別徴収 ~図解資料~」
- 久留米市「公的年金からの個人市・県民税(個人住民税)特別徴収について」
- 久留米市「第1号被保険者(65歳以上)の保険料」
- 日本年金機構「令和8年度税制改正による公的年金等に係る主な改正事項」
- 国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A(令和8年5月)」



