遠方の実家など、すぐに活用できない家でも管理の予定は必要です。国の空き家管理指針は、災害が起きた後だけでなく、強風・大雨・著しい降雪の前にも部材の剥落などの兆候を確認しておくことが望ましいとしています。所有者が決めるべきことは、定期点検、荒天の前後、異常が見つかった時の連絡先の三つです。
一方、指針にある点検項目を一度飛ばしただけで、直ちに「管理不全空家等」と判定されるわけではありません。国は、家の状態と周辺の生活環境に及ぼし得る影響などを踏まえて判断すると説明しています。
まず4つの観点で現地を見渡す
| 観点 | 点検で目を向ける場所 |
|---|---|
| 保安上の危険 | 屋根や外壁など、落下・破損の兆候 |
| 衛生上の有害 | 排水や敷地の状態など、周辺への影響 |
| 景観の悪化 | 建物外観や敷地の荒れ方 |
| 周辺の生活環境への悪影響 | 立木や部材が近隣へ及ぼす影響 |
表には、国の管理指針にある4つの観点を現地確認用に並べました。危険な屋根へ上がって自分で調べることを勧めるものではありません。遠くから異常を見つけた段階で、専門家による点検や補修が必要か相談してください。
国の基本指針は、一定の頻度で点検し、破損箇所を修繕することに加え、定期的な通気・換気を挙げています。点検日は一律に決まっていないため、家の状態や距離に合わせて担当者と頻度を決め、見た箇所と変化を記録しておくと次回に比べやすくなります。
荒天の「前」と「後」で違う
地震・強風・大雨・著しい降雪の後は、異常がないか確認する必要があると指針は示しています。それとは別に、強風・大雨・著しい降雪の前には部材の剥落などの兆候を見ておくことが望ましいとされています。地震を「事前に点検する荒天」の一覧へ足してはいけません。
点検の結果、落下しそうな部材や損傷が見つかったら、補修方法を自己判断で決めず、状態を伝えて専門家に相談します。遠隔地で所有者が自分で管理できない場合には、空き家の管理・点検・補修の事業者等への委託も選択肢として示されています。委託するときも、点検対象、頻度、異常時の連絡方法を決めておく必要があります。
管理不全空家等と勧告の関係
管理不全空家等は、適切な管理が行われず、そのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれがある状態と認められる空き家です。市町村長はまず指導を行い、改善されず、特定空家等になるおそれが大きいと認める場合に必要な措置を勧告できます。「空き家であるだけで勧告」という説明ではありません。
住宅用地特例を受けている管理不全空家等の敷地は、法に基づく勧告を受けると固定資産税等の特例対象から除外されます。ただし国のガイドラインは、勧告がなくても、住む見込みのない家屋にはそもそも住宅用地特例が適用されない場合があると注記しています。自分の土地の課税は自治体へ確認してください。管理の第一歩は税額を予測することではなく、家の状態と近隣への影響を確かめることです。
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