従業員から「家族の介護に直面した」と申出があったら、会社は介護休業などの制度を個別に知らせ、利用の意向を確認する措置を講じます。2025年4月1日からの義務です。申出から何日以内という固定期限は、確認した厚生労働省の案内には書かれていません。だからこそ、申出を受けた時点で担当者と連絡方法を決めておくと、説明漏れを防げます。
意向確認は、従業員に利用を即決させる作業ではありません。厚生労働省の指針は、事業主から労働者へ意向確認の働きかけを行えばよいとしています。ただし、取得や利用を控えさせるような聞き方は法定措置の実施とは認められません。
申出後の初動を3項目で点検する
| 確認欄 | 個別に知らせる内容 |
|---|---|
| 制度 | 介護休業、介護両立支援制度等 |
| 窓口 | それらの制度の申出先 |
| 給付 | 介護休業給付金に関すること |
上司が「休める制度がある」と口頭で伝えるだけでは、申出先や給付金の説明が抜けるおそれがあります。社内の実際の申出先を示し、従業員があとから見返せる形にすることが実務上の助けになります。個別の制度の利用条件や給付の可否は、本人の状況と正式な案内で確認してください。
方法は4つ。メールとFAXには条件がある
個別周知・意向確認の方法は、面談、書面交付、FAX、電子メール等のいずれかです。面談はオンラインでも構いません。一方、FAXと電子メール等は労働者が希望した場合に限られます。「社内メールを一斉送信したから個別対応は終わり」と置き換えないでください。
方法を選ぶ際には、本人がどの連絡手段を希望するかも聞きます。介護の状況や働き方には私的な情報が含まれるため、共有する相手と範囲を絞ることも必要です。厚生労働省の実務的支援ツールには、介護状況、両立上の課題、希望する働き方、介護サービス利用に向けた行動の有無を確認する項目があります。ただしこれは支援のための推奨事項であり、列挙された質問をすべて尋ねる法定義務ではありません。
取得を控えさせる対応と不利益取扱いを避ける
「忙しい時期だから申請しないでほしい」という方向へ誘導する周知や意向確認は認められません。また、介護に直面した旨の申出を理由とする解雇などの不利益取扱いも禁止されています。意向を聞く側は、制度を使うかどうかを本人が判断できる情報を先に渡す必要があります。
会社には、この個別対応とは別に、平時の雇用環境整備も求められます。研修、相談体制、利用事例の収集・提供、利用促進方針の周知から少なくとも一つを実施する義務です。40歳前後の情報提供も、介護の申出を受けた後の対応とは別にあります。三つを一枚の「介護対応済み」チェックで混同しないようにしましょう。
申出を受けたら、誰が3項目を説明し、どの方法で意向を尋ね、次に社内のどこへつなぐかを確認します。法律の適用や個別の労務判断に迷う場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)など所管窓口へ相談してください。
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