この記事の目次
  1. 介護費用は三つの箱に分ける
  2. 毎月かかる費用は請求先ごとに並べる
    1. 在宅の請求書を一か月分だけ集めた
  3. 利用開始時にまとまって出る費用がある
    1. 施設二か所の見積書で項目名が違った
  4. 保険外費用は「誰が、何をするか」で変わる
  5. 支給限度額は介護サービス費の上限
    1. 限度額が毎月の請求額だと思っていた
  6. 負担を軽くする制度は対象費用が違う
    1. 高額介護サービス費
    2. 高額医療・高額介護合算制度
    3. 施設の食費・居住費に対する負担限度額認定
    4. 医療費控除
    5. 障害者控除対象者認定
    6. 久留米市独自の支援
  7. 自分の場合の費用を出す順番
  8. 参照した一次情報

施設から見積書を受け取ったものの、食費、介護サービス費、日用品費が別々に並び、これで全部なのか分からない。在宅介護でも、毎月の請求先が複数になると家計の見通しを失いがちです。

介護費用に一つの平均額を当てはめても、自分の家計は見えてきません。毎月の支払い、利用開始時の出費、介護保険外の購入額へ仕分けると、問い合わせ先が定まります。

要介護度、所得、住まい、家族が担える範囲で金額は変わります。まず分類。その後に見積もりです。

介護費用は三つの箱に分ける

同じ「介護のための支出」でも、介護保険が使えるものと使えないものがあります。一度限りの出費か、毎月続く請求かという違いもあります。

次の表は、家計簿へ写すための索引です。個別の対象可否は、市、ケアマネジャー、入居先へ照会してください。

いつ払うか何に払うか介護保険との関係負担を軽くする仕組み・相談先
毎月介護サービスの利用者負担支給限度額内は原則1割。所得により2割または3割負担割合証、高額介護サービス費
毎月食費、居住費・家賃、管理費原則として介護保険のサービス費とは別施設利用では負担限度額認定の対象になる場合がある
毎月医療費、薬代医療保険の対象と自己負担がある高額療養費、高額医療・高額介護合算、医療費控除
毎月介護保険料65歳以上は所得や世帯の課税状況などで段階が決まる保険料通知書について久留米市へ照会
利用開始時福祉用具の購入特定福祉用具販売の対象なら年度上限内で給付購入前にケアマネジャーか福祉用具専門相談員へ相談
工事時手すり、段差解消などの住宅改修対象工事は住宅改修費の給付。事前申請が必要見積もり前にケアマネジャーと久留米市へ相談
入居時入居一時金、敷金、引越し、家具など入居契約や住まいの料金。介護保険外契約書と返還条件を契約先へ照会
必要な都度配食、家事代行、通院付き添い、理美容、おむつ、日用品など介護保険外となる範囲がある市の独自支援、民間事業者、入居先の実費表を点検

介護保険の負担割合は、久留米市の介護保険負担割合証から読み取れます。請求書を開く前に、割合証の有効期間も照合してください。

毎月かかる費用は請求先ごとに並べる

在宅の主な請求は、訪問介護、通所介護、福祉用具貸与などの利用者負担です。そこへ診療代、配食、紙おむつ、交通費が重なります。

請求日は事業所ごとに違うことがあります。月の総額を知るには、領収書を「介護」「医療」「生活」の三列へ仕分けるのが近道です。

介護保険料は、利用料とは別です。65歳以上なら久留米市から届く納付通知書を取り出し、入居先の請求額とは別枠で家計表へ写します。

入居先では、介護給付の利用者負担に加え、居室料または家賃、食費、管理費、日用品代などが発生します。請求項目は住まいの種類と契約内容によって異なります。

診療代、薬代、理美容、個別の行事参加料などが別請求になる場合もあります。「月額」という一行だけでは比べられません。

在宅の請求書を一か月分だけ集めた

ここからは、説明のために条件を置いて考えます。要介護の親が訪問介護と通所介護を利用し、福祉用具も借りているとします。家族は通帳の引落しだけを追っていました。ところが、薬局で払った薬代、紙おむつ、通院時の交通費は別払いです。介護に充てた総額をつかめません。そこで一か月分の領収書を集めました。

介護保険の利用者負担、医療、生活費の三列へ振り分け、利用回数も横に記入しました。翌月から抑えられる出費と、状態維持に欠かせない支払いが見えてきます。この場面は仮定です。給付対象は久留米市が最終判断し、支援量はケアマネジャーと本人・家族で見直します。

利用開始時にまとまって出る費用がある

介護ベッドや車椅子は貸与が中心ですが、入浴や排泄で使う特定福祉用具には購入費の給付があります。一般の店で先に買うと、支給条件を満たせない場合があります。

住宅改修は、工事前の申請が原則です。手すりを付けてから領収書を出せばよい、という手続きではありません。

高齢者向けの住まいには、入居一時金を設ける所と、設けない所があります。敷金、引越し、寝具、衣類、家具の準備も契約外の出費です。

一時金がある場合は、償却方法と退去時の返還条件を契約書で読み取ります。月額が低く見えても、初期負担を含めた比較が必要です。

介護保険の福祉用具購入費、住宅改修費、住まいの入居費は別々の扱いです。一つの上限へ合算しません。

施設二か所の見積書で項目名が違った

仮に、家族が二つの入居候補から見積書を受け取ったとします。一方は食費と管理費を月額欄にまとめ、もう一方は基本料金と実費を切り離していました。見た目の合計だけでは、紙おむつ、診療代、洗濯、理美容が含まれるか分かりません。家族は項目名をそろえた比較表を作ります。

月額、一時金、退去時の精算、状態変化で追加される料金を担当者へ尋ねました。ここでは、説明のために条件を置いています。介護保険給付や負担軽減の適用は久留米市が最終判断します。入居料金と条件は、各候補先の正式な見積書・契約書との照合が必要です。

保険外費用は「誰が、何をするか」で変わる

介護保険は、本人の日常生活を支えるために必要な援助を給付します。家族全員分の家事や、本人の希望だけで行う外出などは、保険外となる場合もあります。境目は一律ではありません。

配食、家事代行、通院付き添い、庭仕事などを民間事業者へ頼む場合は、基本料金だけでなく交通費、時間延長、キャンセル料にも目を通します。総額を左右する項目です。

入居先では、日用品、紙おむつ、理美容、個別の外出、レクリエーション材料などを実費で請求する場合があります。任意の支出と、生活上欠かせない品を区分してください。

家族が無償で担っている送迎や洗濯にも、時間と交通費がかかっています。家計表には出なくても、仕事を休む負担まで含めた検討が必要です。

保険外の手助けを減らしすぎて家族が疲弊すれば、在宅生活は続きません。金額だけでなく、誰が代わりに担うかまで決めることが条件です。

支給限度額は介護サービス費の上限

在宅で受ける給付には、要介護状態区分ごとに一か月の支給限度額があります。久留米市の令和8年度パンフレットに載る金額を下表へ写しました。

区分1か月の支給限度額1割負担の場合
要支援1・事業対象者50,320円5,032円
要支援2105,310円10,531円
要介護1167,650円16,765円
要介護2197,050円19,705円
要介護3270,480円27,048円
要介護4309,380円30,938円
要介護5362,170円36,217円

この表は、毎月必ず支払う額ではありません。実際に利用した給付対象額へ、本人の負担割合を掛けた金額が基本です。

限度額を超えて利用した分は、全額自己負担になります。食費、居住費、日用品、診療代など、初めから限度額に含まれない支出もあります。

利用回数を増やす前に、ケアマネジャーから限度額内の見込みと超過分を出してもらいます。詳しい読み方は、久留米市の介護保険利用限度額にまとめました。

限度額が毎月の請求額だと思っていた

ここでは、説明のために条件を置いて考えます。要介護1の認定を受けた家族が、表の167,650円を毎月支払うのだと思い、訪問介護の利用をためらったとします。ケアマネジャーは、これは介護保険が適用される在宅給付の限度額であり、実際の自己負担は使った内容と負担割合で決まると説明しました。

一方、食費や紙おむつ、診療代は別に見積もります。必要な訪問介護を削る前に、一か月の利用票と実費の明細を並べました。説明のために置いた条件であり、給付対象と負担割合は久留米市が最終判断し、請求額は各事業所の利用実績で確定します。

負担を軽くする制度は対象費用が違う

負担軽減の仕組みは、介護に使った全額を一つにまとめて返すものではありません。どの支払いが対象かを先に見極めます。

高額介護サービス費

一か月の介護保険利用者負担が所得区分ごとの上限を超えた場合、超過分が支給される仕組みです。食費、居住費、福祉用具購入費などは対象外です。

申請と上限の読み方は、久留米市の高額介護サービス費で整理しています。

高額医療・高額介護合算制度

医療保険と介護保険の自己負担を年間で合算し、限度額を超えた分を支給する仕組みです。ここでいう世帯は、同じ医療保険に加入する人の単位で扱われます。

申請先と計算期間は、久留米市の高額医療・高額介護合算制度をご覧ください。

施設の食費・居住費に対する負担限度額認定

介護保険施設や短期入所の食費・居住費を軽減する認定です。市民税非課税世帯、別世帯を含む配偶者の課税状況、預貯金等の要件をすべて満たす必要があります。

有料老人ホームの家賃や食費が一律に軽減されるものではありません。入居先の種別と契約内容が判断材料です。

医療費控除

介護サービスの中には、医療費控除の対象になるものがあります。領収書に介護保険対象額が書かれていても、全額が控除対象とは限りません。

対象となる組合せや領収書の読み方は、介護費用と医療費控除で解説しています。

障害者控除対象者認定

要介護認定を受けただけで、自動的に所得税・市県民税の障害者控除が適用されるわけではありません。久留米市の認定要件と申告方法は別々に調べます。

久留米市独自の支援

在宅の要介護者に対する介護用品支給や、住宅改造費助成などがあります。介護度、所得、世帯状況、事前申請などの条件があり、誰でも使えるわけではありません。

紙おむつ、手すり、住宅改修を同じ申請で扱うこともできません。現在の困りごとを地域包括支援センターかケアマネジャーへ伝え、候補となる支援を絞ります。

自分の場合の費用を出す順番

最初に、現在の負担割合証と要介護認定結果をそろえます。認定前なら、申請と暫定利用の扱いを市へ尋ねます。

手元にあれば、重要事項説明書、料金表、請求明細、薬局の領収書、配食伝票、交通系ICの履歴、駐車券も並べます。該当する書類だけで十分です。

封筒の表には、該当する支払日、引落口座、現金払い、更新月、償却期間、解約手数料、返金予定、家族の立替分をメモします。通帳に載らない買い物も拾えます。保管場所、集計日、記入担当も決めます。封筒に連番を振り、重複計上と紛失を防ぎます。

次に、ケアマネジャーへ一か月の利用案を作ってもらいます。限度額内の自己負担と、超過時の全額自己負担を別欄に置くことが要点です。

高齢者向けの住まいを検討するなら、同じ条件で見積書を依頼します。入居一時金、月額、診療代、日用品、状態変化後の追加料金、退去時精算を一つの表へ移します。

診療、紙おむつ、配食、交通、家族の仕事の休みは、介護保険の請求と別に足します。見えにくい負担がここに残ります。

月ごとの増減は、支払いの性質ごとに追います。同じ様式を複製し、変わった欄だけ理由を一言残す方法です。

家計表の欄入れるもの突き合わせる資料
固定介護保険料、家賃、管理費納付通知書、入居契約書
利用回数で変動訪問・通所、配食、送迎利用票、提供票、配食伝票
受診時のみ診察、処方薬、タクシー、駐車医療明細、薬局レシート、交通系IC履歴
身の回り紙おむつ、衣類、理美容、行事参加購入レシート、実費一覧
家族立替現金購入、別居親族の支払い精算日、振込記録

封筒には色別ラベルを貼り、原本・写し・未処理を区別します。

請求額と、家計から実際に出た額は同じとは限りません。立替、未払い、返金予定を別欄に置けば、二重計上や精算漏れに気づけます。

最後に、高額介護サービス費、負担限度額認定、市独自の助成など、使えそうな仕組みを久留米市へ照会します。見込み額を差し引くのは、支給決定後です。

全国平均へ自分を合わせる必要はありません。本人の一か月分の利用票、見積書、領収書から積み上げた数字こそ、家族の判断材料です。

参照した一次情報

支給限度額と久留米市の負担軽減制度は、久留米市「高齢者支援パンフレット(令和8年度版)」38~41ページ(https://www.city.kurume.fukuoka.jp/1070kenkou/2030koureikaigo/3030kaigoseido/files/R8koreisyashienpamphlet.pdf.pdf)を2026年8月22日に確認しました。

高額介護サービス費と高額医療・高額介護合算制度の対象、世帯の考え方は、久留米市「高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費」(https://www.city.kurume.fukuoka.jp/1070kenkou/2030koureikaigo/3060kaigoservice/03_08_01.html)を同日に確認しています。

明日やることは一つです。一か月分の請求書と領収書を集め、「介護」「医療」「生活」の三つに分けてください。

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