この記事の目次
  1. 相続人かどうかで、確認する制度が変わる
  2. 介護の時間だけで、請求額を決める仕組みではない
  3. 6か月と1年は、両方の起点を確認する
  4. 話合いがまとまらない場合は家庭裁判所へ

義理の親を介護してきた人が、相続の話合いでは相続人に含まれないことがあります。そうした親族が、一定の条件の下で相続人に金銭の支払いを請求する制度が、特別寄与料です。

介護をした事実に加え、無償の療養看護などによって、亡くなった人の財産の維持・増加に特別の寄与をしたかが問われます。家庭裁判所への申立てには、相続開始と相続人を知ってから6か月、相続開始から1年という二つの期間制限があります。資料を全部そろえるまで待つ前に、期限を法律相談で確認したい制度です。

相続人かどうかで、確認する制度が変わる

裁判所は、特別寄与者を「相続人ではない被相続人の親族」で、財産の維持・増加に特別の寄与をした人として説明しています。

たとえば、子の配偶者が義理の親の介護を担っていた場合は、親族関係と相続人に当たるかを確認するところから始めます。養子縁組などによって相続上の立場が変わることもあるため、家族内での呼び方だけでは判断できません。

本人の立場相談するときの入口
相続人である遺産分割や寄与分など、相続人としての手続きを確認
相続人ではない親族である特別寄与料の条件に当たるかを確認
親族ではないこの制度の親族要件には当たらない。別の契約や権利の有無を相談

裁判所の案内では、相続人のほか、相続放棄をした人、相続欠格に該当する人、廃除で相続権を失った人も申立人から除かれます。「相続を放棄したので特別寄与料へ切り替える」と、手続きを独自に決めるのは避けたいところです。

また、2019年7月1日より前に開始した相続について、この申立てはできません。

介護の時間だけで、請求額を決める仕組みではない

対象となるのは、無償の療養看護その他の労務の提供による特別の寄与です。毎日世話をした、長い期間付き添ったという説明に加え、どのように財産の維持・増加へ関わったのかを確認する必要があります。

「介護した時間×自分で決めた時給」を、そのまま当然に受け取れる金額とする制度ではありません。実際の介護内容、本人の状態、他の支援、報酬の有無などを資料で示し、請求の条件と金額について専門家へ相談します。

資料が残っていれば、次のように事実を分けて並べると、相談時に説明しやすくなります。

整理する事実手掛かりになる資料
介護をした期間と頻度当時の介護記録、予定表、日付のある連絡
実際に担った内容通院の付き添い、食事・排泄などの支援を記した記録
本人の状態と利用していた支援本人の権限・家族関係に応じて扱える計画書やサービスの記録
他の人が担った支援家族の分担が分かる資料
金銭のやり取り受け取った報酬や立替えが分かる領収書・振込記録

この表は相談の準備用です。どの資料が必要な立証になるかは、弁護士などが個別の事情を基に判断します。立替金の返還と、無償の労務に対する特別寄与料の話も、分けて相談する方が整理しやすくなります。

当時の記録が少ない場合は、後から思い出した内容であることを区別してメモに残せます。元の記録を上書きしたり、請求のために日時や介護内容を作ったりせず、残っている資料をそのまま保存してください。

6か月と1年は、両方の起点を確認する

裁判所の案内は、次のいずれかの期間を経過すると申立てができないとしています。

  • 特別寄与者が、相続開始があったことと相続人を知った時から6か月。
  • 相続開始の時から1年。

「亡くなってから1年以内なら大丈夫」とだけ覚えると、もう一方の6か月を見落とすおそれがあります。二つの日付を並べ、先に到来する制限に注意する必要があります。

相続開始や相続人をいつ知ったか、何をもって申立ての期限内といえるかは、個別の法的判断です。家族への連絡や話合いを始めたことだけで、家庭裁判所への申立期間への対応が済んだと考えず、早い段階で弁護士へ相談してください。

相談メモには、死亡日、死亡を知った日、相続人を知った経緯、話合いをした日を分けて書くと、起点を説明する材料になります。

話合いがまとまらない場合は家庭裁判所へ

特別寄与料の支払いについて、当事者間で協議がまとまらない場合や協議ができない場合は、家庭裁判所の調停・審判を利用できます。

調停では、双方の事情を聞き、必要な資料などを確認しながら、合意を目指して話合いが進みます。調停が不成立となった場合は、審判手続きが開始されると裁判所は案内しています。

申立先は、相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所です。亡くなった人の住所だけで申立先を決めないようにしたいところです。

標準的な添付書類には、申立人・相手方の戸籍、死亡の記載がある戸籍などがあります。裁判所は、申立前に入手できない戸籍等は申立後の追加提出でも差し支えないと案内しています。書類の不足がある場合も、まず申立先や法律相談で手順を確認できます。

制度の対象、期間、様式は裁判所「特別の寄与に関する処分調停」で確認できます。2026年10月3日確認。まず二つの期間の起点を相談し、その後に、当時の介護資料を見ながら対象や請求内容を整理する順番が考えられます。

アースサポート株式会社の相談窓口

介護施設・老人ホームについてご相談ください

親御さんの暮らしや施設選びについて、現在の状況とご希望を伺いながら選択肢を整理します。