この記事の目次
  1. 診断前から相談できる
  2. 相談の入口は地域の窓口
  3. 受診や介護への橋渡しをするチーム
  4. 説得が難しいときは家族から相談する
  5. 急な変化は119番を含めて判断する
  6. 最初の電話で伝えるのは、診断名より暮らしの変化

病院の予約まで進まない。介護サービスも途切れたまま。家族だけで説得を続けて行き詰まったとき、久留米市には専門職が自宅を訪ねる「認知症初期集中支援チーム」があります。

名前に「初期」とありますが、対象は症状の軽い人に限られません。すでに医療や介護を利用している人でも、認知症の行動・心理症状への対応に苦慮している場合は相談できます。制度名だけでは分かりにくいところです。

診断前から相談できる

久留米市『認知症初期集中支援チームについて』(2026年8月29日確認)は、対象を次のように示しています。

  • 久留米市内の自宅で暮らす40歳以上
  • 認知症が疑われる人、または認知症の人
  • 医療・介護サービスを受けていない、または中断している
  • 医療・介護サービスを利用中でも、認知症の行動・心理症状への対応に苦慮している

相談は診断前から始められます。訪問の対象になるかは、最初の窓口で状況を聞いたうえで個別に検討されます。

対象となる生活の場は、久留米市内の自宅です。年齢は40歳以上から。若年性認知症が疑われる場合も相談の対象です。

相談の入口は地域の窓口

利用の入口は、久留米市の「認知症に関する相談窓口」です。担当地区の窓口が状況を聞き、チームによる訪問を含めた支援方法の検討へ進みます。

久留米市は相談先として、地域包括支援センターなどを案内しています。担当地区のセンターが分からなければ、市の認知症相談窓口ページ(2026年8月29日確認)から探せます。

家で起きている変化を、そのまま伝えれば十分。

  • いつごろから変化したか
  • 食事、薬、買い物、金銭管理で困っていること
  • 道に迷った、火を消し忘れたなど安全に関わる出来事
  • 受診やサービスを中断した時期と理由
  • 家族が試した対応と、その後の様子

記録は簡単なもので大丈夫です。日付と出来事が二、三件あれば、相談の出発点になります。

受診や介護への橋渡しをするチーム

チームには、認知症サポート医、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、作業療法士などが加わります。自宅を訪ね、本人と家族の状態や困りごとを聞いたうえで支援計画を作り、必要なサービスへつなぐ仕組みです。

家族への情報提供や相談支援も役割の一つです。

診断は医療機関、介護サービスの利用決定はそれぞれの制度が担います。チームは、止まっている受診や介護への道筋を、本人の暮らしに合わせて組み直します。

説得が難しいときは家族から相談する

受診や介護を拒む本人に、同じ説明を繰り返しても話が進まないことがあります。そんなときは家族だけで説得を続けず、先に窓口へ相談できます。本人が話しやすい時間帯や信頼している人、生活上の困りごとも支援を考える手掛かりです。

支援チームは、本人の状態や家庭の事情を聞いたうえで訪問を検討します。支援者が暮らしの場へ出向く仕組みなので、通院の段取りが決まる前でも家族から相談できます。

すでにケアマネジャーや訪問看護、かかりつけ医とつながっている場合は、その連絡先も伝えます。支援が重なったり、家族が同じ説明を何度もしたりするのを減らせます。

急な変化は119番を含めて判断する

数か月かけて進んだもの忘れと、今日突然起きた意識や体の変化は分けて考えます。総務省消防庁の『救急車利用リーフレット』(2026年8月29日確認)は、意識がおかしい、ろれつが回らない、突然片方の手足に力が入らない、急な息切れや呼吸困難などを、ためらわず救急車を呼ぶ症状として挙げています。

緊急性が高いと感じたら119番へ。救急車を呼ぶか迷うときは、総務省消防庁の全国版救急受診アプリ「Q助」(2026年8月29日確認)も判断の補助になります。アプリの結果だけで様子を見続けず、本人の状態が悪化したら医療へつないでください。

最初の電話で伝えるのは、診断名より暮らしの変化

電話の前に、最近困った出来事を三つまで紙に書いておきます。たとえば「薬が一週間分残った」「同じ品を何度も買った」「受診を中断した」といった事実です。

そのメモを手元に置き、担当地区の地域包括支援センターへ連絡する。解決策は未定のままで構いません。初期集中支援チームの対象になるかも含め、入口で相談できます。