この記事の目次
  1. 面接会場以外やSNS上のやり取りも対象になり得る
  2. 性的な言動で、求職活動が妨げられることを防ぐ制度
  3. 記録は、相手の言動と自分の希望を分けて残す
  4. 応募先に直接相談しにくければ、別の窓口から始める
  5. 企業には、窓口を知らせて対応する義務がある
  6. 参考資料

採用面接やインターンシップで性的な言動に困ったときは、応募先の相談窓口だけでなく、学校のキャリアセンターや都道府県労働局にも相談できます。応募中でも相談できます。

2026年10月1日から、事業主には、雇用する労働者による求職者等へのセクシュアルハラスメントを防ぐ措置が義務づけられました。面接や実習の場だけでなく、SNSでのやり取りも対象になり得ます。

面接会場以外やSNS上のやり取りも対象になり得る

厚生労働省がいう「求職者等」には、求人への応募者や就職説明会の参加者が含まれます。インターンシップや教育実習・看護実習の受講者、企業で働く卒業生などを訪ねる「OB・OG訪問」の参加者も対象です。

求職活動は、面接室での面談に限られません。SNSを介したやり取りや、飲食店など通常の就業場所とは違う場所で行われる活動も含まれます。就職に関わる面談として呼ばれたのであれば、場所が社外だったことだけで対象から外れるわけではありません。

一方、厚労省は、授業の一環としての社会科見学など、専ら教育を目的とする参加者は、この「求職者等」には含まれないと説明しています。就職活動に当たるかどうかが、対象を考える基準になります。

性的な言動で、求職活動が妨げられることを防ぐ制度

新しい対策が扱うのは、事業主が雇用する労働者の性的な言動によって、求職者等の求職活動が阻害される問題です。厚労省は、性的な冗談やからかいで実習に集中できない、性的な関係を求められて求職活動の意欲が低下する、執拗な私的な食事の誘いで苦痛を感じる、といった例を示しています。

相談時に、本人が法律上の該当性を確定しておく必要はありません。何を言われ、どのような状況で、活動にどんな支障が出たのかを伝えます。面談に行けなくなった、同じ担当者との連絡が怖い、実習を続けるのが難しいなど、困っていることも分かる範囲で伝えると、相談先が状況を把握しやすくなります。うまく説明できなくても、相談を始めて構いません。

記録は、相手の言動と自分の希望を分けて残す

相談のために、次の内容を手元にまとめておく方法があります。

  • 日時、場所、面談や実習の目的、相手の所属と氏名
  • 言われたこと、されたこと、同席者の有無
  • メールやSNSなど、残っているやり取り
  • 求職活動や実習に出ている支障
  • 相談後に希望する対応と、連絡してほしくない相手

記憶で整理した部分と、メールなどで確認できる部分は分けて書きます。メッセージは削除せず、日時と相手が分かる状態で保存しましょう。資料がそろわなくても相談は始められます。

応募先に直接相談しにくければ、別の窓口から始める

厚労省は、事業主の窓口のほか、キャリアセンター等の教育機関の窓口や教員、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)への相談も案内しています。応募先の相談担当が分からない、加害したとされる人へ直接話が戻ることが心配、といった事情も含めて伝えられます。

学校を通した活動なら、担当教員やキャリアセンターが相談先になります。福岡労働局の雇用環境・均等部指導課も、就職活動中のハラスメント相談を受け付けています。電話は 092-411-4894 です。応募先へ直接相談しにくい事情も含めて伝えられます。

相談を始める際は、何が起きたかに加えて「今、何に困っているか」を伝えてください。法律の名称を覚えて説明するより、次の面談や実習に向けて必要な対応を一緒に考えることが先です。

企業には、窓口を知らせて対応する義務がある

事業主が行う措置は、禁止方針を掲げることだけではありません。面談の時間や場所、実施体制、連絡に使うSNSなどのルールを明確にし、労働者と求職者等へ知らせることが求められます。

また、相談窓口をあらかじめ設け、求職者等に周知する必要があります。相談を受けた後は、事実関係を迅速かつ正確に確認します。セクシュアルハラスメントが生じた事実が確認された場合は、被害を受けた人への必要な配慮と、行為者に対する措置を適正に行います。再発防止の措置も必要です。相談者などのプライバシー保護も、必要な措置の一つです。

現在の担当者との接触を避けたい、選考や実習は続けたい、といった希望も伝えられます。事実確認の方法とあわせて、次の面談までに必要な対応を窓口と相談しましょう。

参考資料

資料確認日:2026年10月11日。

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