介護施設で本人を識別できる写真を使うときは、施設の中に飾る場合も本人への確認が必要です。ホームページへ載せる前には、撮影への了解に加えて、どの範囲まで公開すると説明したかを確かめます。
個人情報保護委員会の医療・介護ガイダンスQ&Aは、個人を識別できる写真をホームページや機関誌へ掲載したり、施設内で展示したりして第三者に見せる際には、本人の同意が必要と説明しています。2026年10月23日にQ4-15の本文を確認しました。
行事が終わった後の写真選びには、表情や構図の良さに加えて、本人が了承した範囲を照合する作業が入ります。
施設内の掲示とインターネット公開を分けて聞く
写真を撮ること、施設の壁に飾ること、広報紙に載せること、誰でも見られるウェブサイトで公開すること。それぞれ、写真を見る人の範囲が違います。
施設内の展示なら本人への確認を省ける、とは言い切れません。公式Q&Aは、施設内展示も第三者の閲覧に供する場面として挙げています。
一度取った同意書を探すときは、署名の有無とともに説明内容を読み直します。紙面への掲載だけを説明した書類から、SNSにも公開してよいと広げて判断することは避けたいところです。
掲載前には、使い道ごとに説明した内容を見直します。
- 施設内に飾るなら、掲示する場所と見る人の範囲を伝えたか。
- 広報紙へ載せるなら、どこへ配るかを説明したか。
- ホームページなら、誰でも閲覧できることや氏名も載せるかを確認したか。
- SNSなら、使う媒体と公開する写真・文章の範囲が伝わっているか。
説明した内容を記録でたどれると、担当者が変わっても確認を引き継げます。「広報に使います」という短い説明で、どこまで伝えたか分からない場合は、公開する前に説明と記録を整えます。
写真の中心以外にも本人の情報が写る
掲載候補を決めたら、写っている人を端まで見ます。中心の人の同意だけを確認しても、後ろや端に別の利用者が写っていることがあります。
顔以外にも、名札、座席の表示、背景の書類などが見える場合があります。これらは公開する必要のある情報か。削除や写真の選び直しで対応できるか。確認のために画像を拡大する時間を取っておきたいところです。
顔を隠したことだけを理由に、必ず個人を識別できなくなると判断するのも早計です。写真に添える文章や、その人の特徴が分かる情報を含め、公開物全体で見直します。個人を識別できる情報に当たるか迷う場合は、事業所の個人情報管理の担当者へ相談します。
写真の価値は、写っている人数では決まりません。本人が公開を望まない場合は、その人が写っていない写真を選ぶ方法もあります。写真を減らしても、行事の内容は文章や使った道具の写真で伝えられます。
本人への説明を家族への連絡で置き換えない
家族へ写真を見せていることと、本人の情報を広く公開することは別の確認です。家族が了承したから全ての媒体へ出せる、と一括して扱わず、公開範囲を確かめます。
本人が説明を理解しにくいときの意思確認や、誰に代理の権限があるかという問題は、個々の状況によって検討が必要です。記事の確認表だけで決めず、本人への説明方法を含めて管理者や個人情報管理の担当者と確認してください。
個人情報保護委員会・厚生労働省の医療・介護関係事業者向けガイダンスは、個人データの第三者提供について、原則として事前の本人同意を求めています。利用者の尊厳を守る対応は、毎日の接遇に加え、公開物を作るときにも続きます。
次に写真を掲載するときは、候補画像と同意の記録を並べてみてください。誰が写り、どの媒体に出し、どこまで説明したのか。その三つを確認してから公開へ進めます。
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